2015年06月の記事一覧
◎2015年06月22日 ---- ボス ◎
- 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
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学生時代、退廃的な生活を送りながらもこの言葉が好きだった。「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」(えんじゃく いずくんぞ こうこくの こころざしを しらんや)・・「史記」に出てくる言葉でツバメやスズメのような小さな鳥にはオオトリの気持ちは分からないだろう、小人物には大人物の考えや志がわからないのだ、と言うもの。生意気な私は自分の力量を客観的に見ることもできず、自分をオオトリに例えていたのだ。甘えていた、と言ってもいい。世間を舐めていた。若さ、とはいえ恥ずかしい。◆「自ら反みて縮くんば、千万人と雖も吾往かん。」(みずから かえりみて なおくんば せんまんにんといえども われゆかん)というのも当時好きだった孟子の言葉。間違っていないと思えば例え千万人の敵がいても私は衝き進んで行く、というもの。これも今ではあり得ない。◆素晴らしい言葉ではあるが、いつの頃か、これらの言葉は私の気持ちを表現する言葉ではないことに気付いた。そもそも私は鴻鵠ではなく燕雀なのだ。千万人どころか三人から反対されるとどこがおかしいのか考え直すことにしている。敵が多いということは何かこちらに間違いがあるのではないかと考え直すべきだと思っている。生意気で青臭かった若者がそこそこ立派な大人になったものだと自分を時々褒めている。◆本屋に行くと情けないタイトルの本が並んでいた。『男はお金が9割』 『男は一生、好きなことをやれ!』 『嫌われる男こそ一流』 『嫌われる勇気』・・・・若いころの私なら喜んで手に取っていただろう。今の私はと言うとこれらのタイトルの全く逆を若い人たちに勧めたい。『男はお金で人を量ってはダメ』『好きなことばかりやっていては男はダメになる』『嫌われるようでは一流になれない』『嫌われない努力』◆男の生き方から『道徳』がなくなればその国は亡ぶ。そう思っている。人に嫌われ、人に後ろ指を指されながらも金持ちになり、「自分は一流になった」と勘違いしているバカな男をときどき見かける。悲しくなる。
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◎2015年06月19日 ---- ボス ◎
- 慈悲深い善良な市民を罪人にしないために
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悲しいニュースが流れた。その記事を読み涙を流したのは私だけではないだろう。◆体の痛みを訴え続けた83歳の妻に頼まれて、93歳の夫が彼女を殺害したとして嘱託殺人の罪に問われている。殺人の罪に問われている夫は「今でも妻を愛しております」と語っているという。◆妻は長く患い、死ぬ1ヶ月くらい前には腰の骨折が判明、痛くて眠れない日が続いていた。「何もできない、苦しいだけ」と言われ、「お願いです、私を殺して。楽にして」と言われ続けた。彼女は「家族に迷惑をかけたくない」とのメモも残していた。「殺して!」と懇願され続けた夫は「もう断りきれない」と感じ、妻の願いを叶えることにした。ネクタイで彼女の首を絞めた。◆60年前に浅草の職場で出会った二人は結婚し3人の子を持った。妻が病いに倒れるまでは幸せな生活が続いた。妻が倒れてからも一所懸命に介護を続けた。買い物、庭の手入れ、トイレの付き添い・・・。◆「最期、2人は添い寝をした。靴職人として働き、妻と知り合ったころを思い出した。昔話を続けた。『妻はニコニコしていた。とてもきれいだった』」・・・と毎日新聞は伝えていた。◆17日の論告で、検察側は「殺害決意は想像を絶する苦悩だったと思うが、妻の弱音とも考えられて軽率」などと指摘し、懲役5年を求刑した。懲役5年の求刑、現行法では妥当なのだろう。恐らく執行猶予が付くのだろう。それにしても・・・・・◆このような、愛妻家の善良な老人を罪人にしてしまう今の法律や社会のシステムには不備を感じる。せめて「安楽死」という合法的な制度が我が国にあれば、妻は穏やかな気持ちで天国へと旅立てたであろう。心優しき夫は罪びとにならずに済んだのに。◆この93歳の老人がかわいそうでならない。
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◎2015年06月18日 ---- ボス ◎
- プライバシー
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先週、誕生日を迎え58歳になった。娘が「父さんの誕生祝いをしてあげる」と近所のレストランを予約してくれていた。久しぶりに一家4人での外食を楽しむことになった。◆美味しい酒と食事を楽しんでいた。話題はいろんな方面へ飛んだ。私の健康、息子の就職、老後の心配などなど。楽しかった。話題の中心が娘に移った。結婚を控えた友人が複数いるようだ。家人が思い出したように聞いた。「そういえばA子ちゃんはどうしてるの?」。聞かれて娘の顔が曇った。「A子、大変なのよ。お父さんの浮気がばれて家庭内がボロボロだって」。聞いた家人の顔も曇った。「へえ、どうしたの?」聞きながら家人が私の顔をチラッと見た、気がした。叩かれてもなんの埃も出ない私だがなぜか心中穏やかではない。娘が続けた。「その浮気を見つけたのがA子なのよ。A子がお父さんのスマホを見てて浮気を発見したんだって。A子とお父さん、それまでは仲良かったんだけど今はもう大嫌いなんだって。顔も見たくないって、A子とお母さんは一緒に家を出てるみたいなの」◆「人のケータイなんて見るもんじゃないよね。今はよく分かるよ。」それまで黙って聞いていた大学4年生の息子が話に加わってきた。「オレが中学生の頃、ネーチャンのケータイを覗いていたら、父さんが『人のケータイを覗いたりするなっ!』ってひどく怒りだしたんだよ。オレ、『なんでそんなに叱られるんだ?』って不思議だったんだよね。でも、そういうことなんだよね、今は分かるな」・・息子はそう言いながら私を見てニヤッと笑った、気がした。「いらんことを言うな!」私は小さな声で息子を一括した。いや、一括したかったができなかった。◆だが、いつの間にか息子は「浮気をした父が悪いのではなく、ケータイを覗いた娘が悪い」という方向へ話題を誘導していた。家人も娘も「そうよね。人のケータイ覗いてなにもいいことないよね。」と言っている。叩かれても、叩かれても、なんのホコリも出ない私だが心が穏やかになっていくのを感じていた。そして自分の不用意な発言を上手に修正する技術を覚えた息子を少し頼もしく思った。「これならヤツも社会人になっても大丈夫かもしれない」、そんなことを思いながら楽しく酒を飲んでいた。
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◎2015年06月12日 ---- ボス ◎
- リニア建設には反対
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私の回りには土木・建築に係る方が多い。彼らからは「キノシタ、ふざけたことを言うな!」とお叱りを受けそうだが読む人も少ないので思い切って書くことにした。リニア新幹線計画は中止した方がいい。◆私は長年経営者として生きてきた。経営者は常にその先にあるリスクを数値化し期待値を算出しながら向かうべき方向性を示していく。リニア新幹線はあまりにもリスクが大きい。大金を投じて突き進むべきではない。◆リニア新幹線計画の予算は東京―名古屋間5兆円強で2027年開業、東京―大阪間の全線では9兆円強で45年開業を目指している。これまでの大型土木工事の事例をみると最終的には予算の2倍程度はかかる。東京-大阪開通までにおそらく20兆円程度はかかるだろう。20兆円かけて、現在2時間半の東京-大阪を1時間に短縮しようというのがリニア計画だ。この費用対効果にも疑問が湧くが私が反対するのはもっと別の視点「テロの脅威」からだ。2001年9月11日の米国テロ以来、世界中で自爆テロが頻発するようになってきた。◆リニア新幹線はその9割近くの区間がトンネルだ。テロリストには格好の餌食となる。東京-大阪間が開通した数日後、満員のリニアが時速500km以上のスピードで走行中、トンネル内で爆発したらどうなる。1000名を超える乗客乗員は即死。復旧工事に数ケ月はかかるだろう。復旧したところで運転再開にはならない。現在の飛行場なみのセキュリティーゲートが据えられる。乗客は乗車2時間前に駅に行きセキュリティーチェックを受けなければならなくなる。東京-大阪が一時間で移動できてもセキュリティーゲート通過に時間がかかっては意味がない。JRの現在の計画段階ではセキュリティーゲートは設けていない。テロリストは日本のリニア新幹線開通の日を今から目を輝かせながら待っているに違いない。◆おお、怖い! なぜ誰も「テロ対策はどうするの?」と大きな声で尋ねないのだろうか? もし私が尋ねるると「キノシタ!いらぬことを言うな!」といろんな方から怒られてしまうのだ。
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◎2015年06月11日 ---- サイトからのお知らせ ◎
◎2015年06月05日 ---- ボス ◎
- 客は黙って去って行く(3)
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4年前のオープン当時、銀座のそのバーは落ち着いたムードでカウンターの女性たちの愛想も良く、明朗会計であった。私は1か月に3~4回は利用していた。常連客となった私に「キノシタさん、一杯いただいていいかしら?」とカウンターの女性が聞いてくるようになった。オープン1年が経過したころからその店の料金が徐々に高くなってきたように感じていた。◆今年の3月の終わり、私は部下のK君を連れその店を訪ねた。私のキープしているウィスキーをそれぞれストレートで一杯ずつ頼んだ。カウンターの向こうの女性がすぐに「キノシタさん、私も一杯いただいていいかしら?」と聞いてきた。「ダメ」とも言えないので「どうぞ」と答えた。彼女は私のボトルではなく店のシャンパンをグラスに注いで一口だけ飲んだ。すると隣にいた女性が「ねっ、私も飲みたーい」と言ってきた。私はK君と少し重要な話をしていたのでぞんざいに「どうぞ」と答えた。彼女もウィスキーではない透明な飲み物をグラスについだ。さらにママが出てきて「あらキノシタさん、お久しぶり。一杯いただくわね」だ。◆K君との打ち合わせを15分で終え、私は勘定を頼んだ。15分間、自分のボトルのウィスキーをストレートで1杯ずつ飲んだだけだ。乾き物のつまみすら出なかった。それでも勘定は3万円強であった。二人で飲むだけならオープン当時なら1万円でお釣りがきた。2年前でもツマミ込みで1万5千円だった。常連になり女性が甘え、勘定が高くなった。それが徐々にエスカレートしてきた。K君は値段を聞き驚いていた。私は笑顔で金を払って「またね」と言いながら店を出た。◆それ以来、その店には行かない。キープボトルにはまだ半分以上高級ウィスキーが残っていたが未練はない。◆女性との会話を楽しむのが目的ならそれなりの店に行く。もっと知的で楽しい会話ができる。もっと艶っぽい女性もいる。バーにはバーの利用の仕方、楽しみ方がある。この店のオーナーママは元は銀座のクラブのホステスだった。今の時代、銀座でも、「取れるヤツからは取る」などの商売で店が続くわけがない。客は黙って去って行くのである。
「私が「どうぞ」と答えると別の女性が私の前に来て「私もいただいてもいいでしょ?」と聞いてきた。「キミはダメ」と答える分けにもいかず「どうぞ」と答えた。すると奥からママが出てきて「あらキノシタさん、私も1杯いただくわ」と言った。私は自分のキープボトルをストレートで飲んでいた。つまみはなにも取っていない。付け出しすら出てきていない。15分で店を出ようとした。値段を聞いて驚いた。彼女らの飲んだワイン代が高くて総額は3万円を超えていた。2年前なら私の料金だけ5000円ですんだものが「常連」になり店のシステムが変わったら6倍になってしまった。その日を最後に私はその店には行かなくなった。店を去るにあたって私は一言も文句を言わなかった。笑顔で3万円を支払い、そっと決別を誓った。去ったのはもちろん私だけではない。かつての常連客はみな「高くなった」との理由でその店を離れた。新しい客はつかない。... 続きを読む
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◎2015年06月03日 ---- ボス ◎
- 梅雨
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真夏のような暑さが続いた5月から一転、曇天の毎日である。東京でもまもなく梅雨入り発表があるのだろう。◆ゴルフをする機会が多くなるにつれ「雨は嫌い」と発言することが多くなった。だが自堕落な生活を続けていた学生時代、私は雨が嫌いではなかった。雨の日は大学へ行かなかった。雨だからわざわざ友人たちも私の部屋まで迎えに来なかった。夕暮れを待って雀荘かパチンコ屋か映画館に出かけていた。雀荘に行ってもパチンコ屋に行っても必ず仲間がいた。もっとも雀荘にもパチンコ屋にも映画館にも行けず家庭教師として稼がねばならない日の方が多かった。自堕落な学生は優秀な家庭教師でもあった。生徒や父兄からの信頼は厚かった。◆なぜだか分からないのだが、雨の日、学校へ行かずアパートで寝ているとよく女友達が遊びに来ていた。近所の高校生だったり短大生だったり、酒場の女性だったり。顔もスタイルも普通以下、カネも全くないのに「優しい九大生」「楽しい九大生」「かわいそうな九大生」というだけで女友達に恵まれた。福岡では九大生というだけでモテることがあった。雨の日の夕方、窓を閉め切って、私の部屋を訪ねてきた女友達たちと汗を流していた。女性と二人でいるところにノックがあると居留守を使った。女友達がぶつかることも何度かあった。映画のような日々だった。いや、実際にはなにもなかったのかもしれない。詳しくは覚えていない。◆もうすぐ梅雨入り。暦の上の「入梅」は6月11日、私の誕生日である。58歳になる。さすがに女友達はいなくなった。居留守を使うこともなくなった。
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◎2015年06月03日 ---- ボス ◎
- 客は黙って去って行く(2)
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この欄で私は何度も繰り返しているが「選挙権年齢の18歳への引き下げ」には反対である。現代の我が国の18歳の多くは未就労者であり税金を納めていない。政治とまともに向き合う環境になく、ノンポリの学生ばかりである。親や教師のちょっとしたアドバイスによって自分の考えがぶれる。彼らに選挙権を与えるのは速すぎる。◆しかし今日もあるテレビでは複数の低開発国を例にあげ「これらの国では選挙権は16歳からです」などとくだらぬ情報を伝えていた。当たり前だ、低開発国の18歳は皆、働いている。政治を考えている。モラトリアムなどと言っていられない。超先進国となった我が国、平均年齢が80歳を超えている我が国と比較するな!◆最近、国会議員と話をする機会が何度かあった。私は彼らに聞いた。「なんで選挙権年齢を18歳に引き下げることにあなたの党は賛成するの?彼らはまだ政治のことなんて考えてないでしょ?」と。◆自民党の代議士は私に小声でこう答えた。「キノシタさん、意外に思われるかもしれませんがね、最近の選挙結果を分析すると20歳代は男女とも自民党票が多いのですよ。20歳代が自民党ということは18・19はさらに自民党票が多いのですよ」と。◆別の日に同じ質問を民主党の議員にした。彼はこう答えた。「憲法改悪には反対でしょ。戦争反対でしょ。若い世代は戦争反対なのですよ。60年代70年代、多くの若者が『安保反対』と頑張ったでしょ」◆再び自民党の議員に出会った。先ほどとは別の自民党議員である。「憲法改正には若者の多くが反対するんじゃないの?」私は尋ねた。彼はこう答えた。「だからね、実際に彼らが選挙権を行使するようになる前に、憲法改正を今国会で方向付けなきゃならないのですよ」◆私の予想したとおり。「18歳に選挙権を与える真の意義」など考えている立法府の人間なんてだれもいない。彼らは選挙権年齢を引き下げると自分にとってプラスなのかマイナスなのかを考えているだけ。そして彼らのホンネは「選挙権年齢引き下げに今反対したら我が党のイメージが悪くなる。ここは賛成しておいた方が良い」ということのようだ。◆客は黙って去って行く。こんなことではまともな大人は選挙へ行くことが馬鹿らしく思えてくる。私も、焦点の呆けた候補者には誰にも投票したくない。投票率はさらに下がり続けるのだろう。
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◎2015年06月02日 ---- ボス ◎
- 客は黙って去って行く(1)
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IさんとKさんは大手金融機関の若手女性社員。ともに優秀で美人、感じもとても良い。なにより仕事熱心でガッツがある。私はこの二人を高く評価していた。IさんとKさんが勤める金融機関と私は長い付き合いである。十分信頼できる会社である。先週、IさんとKさんが私の元を訪れた。魅力的な金融商品の説明をしてくれた。ちょうど私も連日、資産運用を検討しているところだった。信頼のおける会社の、熱心な、そして十分に商品知識のある若い女性二人からその商品の説明を受け、私は即決した。その金融商品の購入を約束した。まとまった額である。「来週早々に手続しましょう」と言って彼女たちを見送った。木曜日のことである。◆週が明けた昨日、月曜、Kさんから電話が入った。「大変申し訳ないのですが・・」と彼女は切り出した。「私の勉強不足でして、あの商品は・・・」と言う。続いて驚くことを彼女が口にした。「実はあの商品を購入していただいても私の(社内の)評価点にならないのです・・・」と。そして「今日、午後からお時間をいただけないでしょうか。ご説明に伺いたいのですが?」と言う。私は「この商品を売ってもIさん、Kさんの評価点にならないの?」と確認した。彼女は「ええ、そうなんです」と申し訳なさそうに答えた。◆午後、IさんとKさんが揃ってお詫びと説明に来た。彼女らが汗を拭き拭き、本当に申し訳なさそうに説明をするのを途中で遮って、私は少し大きな声を出した。「Iさん、Kさん、もしあなたたちが私の部下だったら、即刻クビですよ。クビ!営業マンと言うのはね、お客様に喜んでもらえるものを売らなきゃダメなんですよ。お客様に喜んでもらって、それが自分の喜びになる、そうした結果が自分の会社のプラスにもなるのです。そのお客様が最も喜んでくれるもの、最もそのお客様のためになるものを売るのが営業なの。あなたの社内の評価なんて客にとっては関係ないの!『こっちの商品を買ってもらっても私たちの評価に繋がらない』なんてことは客にとってはただの不快な情報なの!なんであなたの社内評価を上げるために僕がお手伝いをしないといけないの?そんな営業しちゃダメですよ。繰り返すけど営業っていうのはね、お客様に本当に喜んでもらおう、それを一番に考えなくてはダメだよ」そう言って二人を追い返した。泣きそうな顔をし、ひたすら頭を下げ、二人の有望な女性営業レディは帰っていった。◆彼女たちは帰社するとすぐに上司に報告をした。「キノシタ社長に叱られました・・・」と伝えたのだろう。彼女たちの上司である部長から電話があった。そして部長は私の元にすぐに来られた。部下の非礼を詫びた。◆「いえいえ、彼女たちの真面目さ、熱心さは十分に理解していますよ。御社にも十分感謝しています。でもいま、彼女たちが成長過程にあるときに外部の客から厳しく叱られるという経験を積むのもいいかなと思ったのですよ。そんなに部長にお詫びされるほどのことじゃありませんよ」私は思っていることを正直に伝えた。◆信頼できる金融機関の素早い対応である。おそらくIさんもKさんも昨夜は眠れなかっただろう。Iさん、Kさんの今後の成長が楽しみである。
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◎2015年06月01日 ---- ボス ◎
- 平家の落人
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日曜深夜の『ヨルタモリ』(フジテレビ)という番組がとても面白い。毎週欠かさずこの番組だけは観る。海外出張に重なる場合にも娘に頼んで録画してもらっている。知的でオシャレで面白い。タモリさんの知識の深さには毎週驚かされ、彼の繊細な気配りや謙虚な姿勢は勉強にもなる。才能のカタマリのタモリさんは話題の抽斗(ひきだし)も多く、いろんな方向からジョークが飛んでくる。◆先々週だったろうか、こんな冗談を言っていた。「九州の男はね全員100%が『俺んちの先祖は平家の落人』って言うんだよ。そんだけ平家が居たのなら源氏に負けるわけないよね」と。私は飲んでいた水割りを吹き出しそうになった。確かに・・・。九州の男は「俺んちは平家の落人の子孫だ」と口にする。◆「すべての国民は法の下に平等」となった今でも出自や家柄を気にする向きは多い。我が家にも「武家の末裔」を証明するかのような家系図があり、若い頃、その家系図に関して叔父からレクチャーを受けたことがある。毛利何某(なにがし)からの家系は優に10代は経っている。叔父は「モトミ君、キノシタ家はこのように毛利から連なる武士の家系なんよ。キミのお父さん、オレの兄貴だけど、彼はその本家の長男だったのよ」と自慢気に話してくれた。悪い気はしなかった。◆ところで「源平の戦い」と呼ばれる治承・寿永の乱(じしょう・じゅえいのらん)は、平安時代末期の1185年に終わった。今から830年も昔の話である。この間に世代替わりはいったい何代繰り返されたことだろう。1代を25年とみても33代も経たことになる。では33代さかのぼったその時代、あなたの先祖は何人いたのでしょう。1代前は父母の2人。2代前は祖父祖母が4人。3代前は曾祖父曾祖母が全部で8人・・・・。こうしてさかのぼると33代前には先祖は10億人を超える。実際の家系図は、トーナメントの試合図をひっくり返したようにキレイではなく複雑に絡み合ってくる。それにしても33代で10億人、10代前でも1024人の先祖がいる。どこかのルートを辿れば、日本人は全員が平家の落人にたどり着くことは間違いないようだ。
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