2016年12月の記事一覧
◎2016年12月28日 ---- ボス ◎
- 安倍首相 みごとな演説 「和解の力」
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朝、ネクタイを締めそろそろ自宅を出ようかという頃にハワイの真珠湾での安倍総理の演説がはじまった。安倍さんの置かれている難しい立場は理解できた。「さて、この状況で安部さんはどのような言葉を使って所感を表明するのだろうか」私は立ったままテレビを見続けた。75年前の真珠湾攻撃に関しては直截的な言葉で謝罪はしないのだろう、とは思っていた。◆果たして阿部さんの演説は見事だった。私は歴代、日本の総理の演説の中で最も素晴らしい演説であったのではないかとさえ感じた。◆「かつて歴史上も稀なほどの極めて激しい戦いをした日米が、今はこれまた歴史上極めて稀なほどの強い同盟関係にある。米国の寛容さに感謝する」 そのようなことを伝えた。 さらに「現在も世界中で戦争が絶えない。多くは“憎しみの連鎖”によるものだが我々は“寛容の心”によって“憎しみの連鎖”を断ち切りさらに“和解の力”によってともに発展できることを知っている。」というようなことを話した。「本来なら完膚なきまでに叩き潰されても仕方なかった状況で、米国民は私たちに『ミルクとセーター』を与えてくれた。その“寛容の心”に強く感謝する」「寛容がもたらす“和解の力”を世界に訴えていきましょう。」「日米同盟は世界的に『希望の同盟』なのだ」と説明した。◆いつもは早口の安倍首相だが、同時通訳をオバマ大統領をはじめ米国民すべてが理解してくれることを願ってだろう、ゆっくりと噛みしめるように語っていた。◆アベノミクスには黄色信号が灯っているが、そしてオバマに代わってトランプ次期大統領には得体のしれぬ怖さもあるが、「日米の強い絆でもって世界平和を目指しましょう」という我が国のリーダーの明確な意思表示には強く感動した。
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◎2016年12月27日 ---- ボス ◎
- 「終わった人」
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住友商事に努めるエリートサラリーマンで、私の親しい友人Oさんから「この本おもしろいですよ」と紹介された。内館牧子著「終わった人」。主人公、田代壮介は東大法学部を卒業した後、大手銀行に就職する。彼が63歳でサラリーマン生活を終えるところからこの物語は始まる。長年、仕事第一で生きていると仕事がなくなった途端に「終わった人」になってしまう。現役のサラリーマン読者は厳しい現実を教えられて怖くなることだろう。◆私も来年で60歳。同級生の多くが来年定年を迎える。果たして彼らは「上手な終わり方」を考えているのだろうか。創業社長である私に定年はない。とは言え「いつまでも現役」でいられるわけもない。私もそろそろ「終わり」を考えなければならない年齢になった。周りの方々は、私に対して「まだまだ若いんだから、リタイアはずっと先ですよね」などとお世辞を言う。◆40歳前にこの会社をスタートし、できる限りの努力をした。スリリングな人生だった。実は、かなり疲れている。「終わった人」を読んで「オレも、そろそろ終わるのもいいかな」などと考えていた。どのような終わり方にしようか、正月休みにゆっくりと考えてみよう。◆幸いにも来年のスタートは箱根の温泉に浸かって迎えることができそうだ。「まだまだ終わるなんてできないよ」・・・そう囁く自分もいる。ひょっとすると「もっとスリリングな生き方を目指す」などと年明けに宣言することになるのかもしれない。「いやいや、そろそろ羽を休めようよ。休む場所を探そうよ」と囁く自分もいる。
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◎2016年12月26日 ---- ボス ◎
- 賭け麻雀・・・聞いて驚くことか? 「違法行為だと」怒るべきことか?
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飯塚市の市長と副市長が平日の日中に市庁舎を離れ、マージャンを繰り返していたことが分かった。市長と副市長が通常の勤務時刻にマージャンをするとはとんでもない話。私も怒った。 だがこの事件、それ以上にすべてのマスコミの反応が面白い。私に言わせりゃ「新聞記者もテレビのコメンテーターもみんなアホじゃないの?」だ。◆「市長と副市長が昼間から麻雀していたんだって」 「ヒェー!とんでもない話」・・・ここまでの受け答えは理解できる。私も同じ感覚を持つ。 ここからがおかしい。「その麻雀、オカネを賭けてたそうです」「ええっ!? わが国では賭けマージャンは違法行為ですよね」・・・・新聞記者もテレビのコメンテーターもみんな「オカネを賭けていた」ことに驚いた風な小芝居をし、「違法行為だ」と言い、またまた「とんでもない話」と怒ってみせる。 さらに「金を賭けずにマージャンをする人がどれくらいいるのか」と市長が当然の質問を返すと「なんだあの態度は!反省していないのか?」とさらに読者や視聴者の怒りを煽る。読者や視聴者に対して、市長が「はい、オカネ賭けていました。申し訳ありません」と頭を下げないことがけしからん、そんな感じか。自分のアタマで考えない読者、視聴者はマスコミに煽られて、やはり「けしからん」と怒る。◆マスコミにとっては「勤務時間に抜け出して麻雀したこと」よりも「その麻雀にカネを賭けていたこと」の方がよほど悪いことのようだ。さらに「カネを賭けていたことを反省していない態度」がもっと悪いことのようだ。◆新聞記者もテレビのコメンテーターだって麻雀するときは賭けるだろう。市長が説明した「ハコになって3000円」というのは極めて一般的な安い賭け金額だ。今回の事件「賭けていたか賭けてはいなかったか」なんてどうでもいい話。(もちろん麻雀の勝ち負けを装うって業者からワイロをもらっていたなら別だが)昼間っから仕事をせずに抜け出していたことが大問題。◆正義漢ぶるマスコミが(自分のことを棚に上げて)「法律違反だ!」と騒ぎ、それに対して自分のアタマで考えない連中が「そうだ、そうだ」と追従する。マスコミがいいろんなバイアスをかける。しかもすべてのマスコミが同じバイアスをかける。おかしなことだ。・・・・そう言えばついこの間まで「とんでもない発言のトランプなど大統領の資格なし!」とすべてのマスコミが報じていたなあ。
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◎2016年12月26日 ---- ボス ◎
- 超ホワイト企業
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電通の過労死事件によって「実は電通は超ブラック企業だったんだ」などとの噂が広がっている。恐らく電通は今回の事件を機に、ブラックイメージ撤廃に向けて動き出すのだろう。35年前、私が就職した当時の前田建設工業の現場監督は、恐らく電通以上のブラック労働条件だった。安い給与で、悪辣な環境で、とにかく長時間働かされた。苦しかった。きつかった。腹が立った。情けなかった。逃げ出したかった。だが逃げることはできなかった。我慢して、努力して、耐えた。そんな時期が数年続いた。気づくと私は社会人として大きく成長していた。あの苦しい経験が、結果的に、私を大きく成長させたことは紛れのない事実である。◆だからと言って、我が社を興したとき「我が社もブラック企業で構わない」などとは全く思わなかった。「今の当社の社員に、あの頃のオレのような苦しさを味合わせたくない」と強く思っていた。いわば「超ホワイト企業」と呼ばれるような会社になりたい、と願っていた。会社が「超ホワイト」なら社員は「会社のために」と頑張ってくれるものだと思っていた。しかし・・・◆現状を見るに、私の考えは間違っていた。中小企業経営は難しい。従業員が千人を超え、放っといても同期生同士で競争が起こるような大企業なら「超ホワイト」でもいいのだろう。当社のように従業員30名では社員同士の競争は起こらない。「叱る上司」もいなければ「理不尽な仕打ちをする先輩」もいない。少々の失敗をしても社長はじめ、みんなが「いいよ、いいよ」と優しい。その優しさに甘え慣れした連中が今日も「何も指示されないから、私、帰っちゃいますうー」と定刻に会社を出ていく。◆「情報の共有をしろ!」と言っても「ベクトルの方向を合わせろ!」と叫んでも、ほとんどの社員はこのブログすら読もうとしない。(社員30名の会社で、社長が毎日ブログを書いているのに、「読め」と言われなければ読まない社員ばかりであることが不思議でならない。)「自由でのびのびできるのがこの会社の魅力ですよね」などと能天気なことをほざく。◆私は、どうも社員に、ここ数年甘すぎたようだ。舐められているようだ。こんなことではいけない。・・・・年の瀬、いろんな問題が起こっている。来年「優しい社長」はこの会社にはいないだろう。
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◎2016年12月22日 ---- ボス ◎
- シングルプレーヤーへの挑戦
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「キノシタさんも一緒に月例コンペ回りましょうよ」 強くゴルフ仲間に誘われた。「競技ゴルフは柄じゃないないから遠慮しますよ」と最初のうちは断っていたが、半年かかりで説得され、押し切られた。月例コンペに出るにはオフィシャルハンデキャップの取得が必要。私はラウンド後、毎回スコアカードを提出した。最初に届いた「ハンデキャップ証明書」には「ハンディ 17.8」と書かれてあった。昨年の1月のことだ。ハンデを取得し、月例コンペに出るようになると「上手になりたい」と強く思うようになった。年甲斐もなく熱心に練習を始めた。昨年11月には「ハンディ 11.1」にまでなっていた。だがそこからが難しい。いくら練習しても良いスコアが出ない。「この辺がオレの限界かな」と諦めかけた。◆諦めかけてはいたが、今年になり「なんとか年内にシングルハンディになる」を目標にした。せっかくここまで来たんだ、もうひと頑張りで「シングル」になれる。◆妙齢のゴルフをやるキレイな女性に「キノシタさん、シングルなんですって?」と聞かれ「ええ、でもシングルと言ってもギリギリのシングル、ハンディ9なんです」・・「ええっ!すごいじゃないですか!本当にシングルだったんだ!今度、是非、教えてくださいよ!」・・・・なんてところを夢想したりしながら頑張った。今年は2月に母を亡くした。看病や葬儀やその後の法事などでゴルフをするヒマがなかった。5月にはヘルニアの症状が酷くなりしばらくクラブを握れなかった。それでも風呂の中でゴルフの解説書を読んだり、腰痛に響かないようにパターだけ練習したりしていた。秋になり、ゴルフをやる余裕がでてきた。腰の痛みも少し和らいできた。少しずつ努力の成果が出てきた。11月に私のハンデは「10.3」までになっていた。そして昨日(12月21日)新ハンデが届いた。私の新ハンデはなんと「10.0」◆シングルハンディとは「ハンディキャップ9.9以下」のこと。私はギリギリのところでシングルプレーヤーになれなかった。まだ、妙齢のゴルフをやるキレイな女性に「キノシタさん、シングルなんですって?」と聞かれても「ええ・・」とは答えられない。でもここまで来たらなお一層「シングルになりたい」との気持ちが強くなった。来年の目標に再度「年内にシングルになる」を掲げることにした。
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◎2016年12月22日 ---- ボス ◎
- 養育方針
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家人が子供たちに対し「勉強しなさい」と言うところを見たことがなかった。受験を控えているのに子供たちはいつもリビングルームで家人と一緒にテレビを観ていた。その当時、私はいつも不機嫌だった。仕事は忙しく、それでいて売り上げも利益も上がらず不安だった。私は毎夜、帰宅すると子供たちに向かって「オマエたちは勉強しなくていいのか?」と厳しい顔して問うていた。そのうち、私が帰宅するとそれまでテレビを観ていた子供たちが「怖いオオカミが来た!」というように急いで自分の部屋に逃げるようになった。私の帰宅時刻までが彼らの楽しい憩いの時間、私の帰宅後は彼らにとって自室で過ごさねばならない孤独な時間となった。◆ある日、家人が私に向かって話し出した。「今日ね、トモ子ちゃんのところに行ってたの・・・」と。 トモ子ちゃんというのは娘の同級生だ。家人の声が少し大きくなった。「トモ子ちゃんのママがね、トモ子ちゃんに『勉強しなさい!』って言うと、トモ子ちゃんのパパから『そんなこと言うな』って注意されるんだって」だと。 「トモ子ちゃんのパパはね、トモ子ちゃんのママに向かって『トモ子が楽しそうに勉強しているか?子供がイヤイヤするようなことを親が強制しちゃダメだよ』って言うんですって」と言う。まるで「あなたもトモ子ちゃんのパパを見習いなさいよ」と言わんばかりだ。そこには「あー、トモ子ちゃんのママが羨ましいな」という響きが確かにあった。それを聞いて私は激怒した。「トモ子ちゃんのところにはトモ子ちゃんのところの教育方針があるだろう。なぜそれをオレがマネしなけりゃならない。オレは、今子供たちが勉強する方が彼らの将来のためになると思って注意している。オレに言わせりゃ子供に向かって『勉強しなさい』って言わないキミやトモ子ちゃんのパパの方がよほど子供のことを思っていないんだよ。『今が楽しけりゃそれでいい』っていう無責任な親だよ」 家人は黙った。その翌日から家人が子供たちに向かって「勉強しなさい」と言うようになったか、というとそうではない。家人はトモ子ちゃんの両親と教育方針が一緒のようだった。◆私が帰宅すると、テレビの音が消え、子供たちが自分の部屋にさっと逃げ込む日々が続いた。その甲斐があったのか娘も息子もなんとか希望の大学に進学できた。彼らが二十歳を超えてからは私は彼らを大人として扱うようにした。もはや人生の先輩としての助言はするが「勉強しなさい」と注意することはない。◆私は今でもあの当時の私の考えは間違っていなかったと思っている。「あの頃の父さん、怖かった」と娘も息子も笑顔で思い出話をしてくれる。
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◎2016年12月20日 ---- ボス ◎
- 「優しい校長」役を演じるのは、そろそろおしまいか。
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私が学生だった頃、テレビで学園ドラマを観るのが楽しみだった。成績は今一つで世間知らず、少しヤンチャだが根は「純情な生徒たち」。彼らを引っ張る「アニキのような熱血教師」。それらを煙たがる「常識派の教師たち」。常識派の親分であり、生徒たちから「嫌われる教頭」。そして「どちらにも優しい校長」。構図は決まっていた。「ヤンチャな生徒」「熱血アニキ教師」「常識教師」「厳しいイジワル教頭」「みんなに優しい校長」がそれぞれの立場でいろんな問題にぶつかり解決していった。◆20年前に会社を設立し、当初の私は青春学園ドラマの中の「生徒」であり「熱血教師」でもありときに「常識教師」や「イジワル教頭」の役もこなした。それから20年の歳月が経ち、会社は大きくなった。数年前、やっと私は念願の「みんなに優しい校長」役を演じることができるようになった。社内に「常識教師」や「厳しい教頭」を演じてくれる者が出てきたから。いや正確には、彼らが「常識教師」や「厳しい教頭」役をしっかり演じてくれると信じたから私は「優しい校長」になった。◆「優しい校長」は生徒や教師(つまり社員みんな)に優しく振舞った。時に、増長した生徒に対し不快感を覚えることもなくはなかったが、そこは「常識教師」や「厳しい教頭」が注意してくれると信じていた。だが、どうも私の「優しい校長」役はそろそろ終わりにしなければならないようだ。◆数年前より、我が社では全額会社持ちで(つまり積み立てなどの個人負担なしで)豪華社員旅行を行っている。昨年はハワイ旅行。それまでも沖縄や北海道、グアムや台湾などに行った。社員全員の自宅に夏はお中元、暮れにはお歳暮が届く。安いものではない。社員同士の飲み会やゴルフ大会、ボーリング大会などのイベントにも会社からかなりの額の補助金を出してきた。「ブラック企業」とひと様から後ろ指を指されることなど決してないように注意してきたつもりだし、給与レベルも業界内では上位のほうだろう。私は「優しい校長」を演じ、みんなから好かれたかったのだ。◆「社員が自分の会社を好きになれば愛社精神が増し、一所懸命会社のために頑張ってくれ、それが好循環になる」と信じていた。異業種交流会で私がその話をするとある先輩のオーナー社長さんが「キノシタさん、気持ちは分らんでもないけど、果たしてテレビドラマみたいにキノシタさんの目論見どおりに事が運ぶでしょうか?私はそうは思えんよ」という。別の会社の社長さんからも「社員はね、最初は『ありがたい』と思うのですよ。でもねそれが2.3回続くとそれは特別なことではなくなるんですよ。『ありがたい』と感じなくなるんですよ。そしてさらに上を要求してくるようになりますよ」と注意された。◆年末になり、私はちょっと「優しい校長」役を辞めて「厳しい教頭」役になったつもりで社内を見てみようと思った。驚いた。気付けば、我が社には「厳しい教頭」も「常識派の教師」もいないようだ。「優しい校長」と「純情だがヤンチャな生徒」ばかりになっていた。実は私はいま、愕然としている。年が明けたらしばらくは完全に「優しい校長」役を辞め、「厳しい教頭」「常識ある教師」役を再び演じる必要があるようだ。◆「来年からしばらくは社員旅行やお中元、お歳暮もやめようか」・・そんなことを考えて、昨夜は眠れなかった。
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◎2016年12月16日 ---- ボス ◎
- 今年、初めて経験したこと
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人間も60年近くやっていると、大抵のことは経験済みになる。感動する機会が減り、感動の幅も小さくなる。涙は出やすくなるのだが、その涙の量は感動の大きさに比例するわけではない。今年を振り返ろうと手帳を手繰ってみたが感動的な「初体験」は見つからなかった。◆2月に母を亡くしたが、これは「初体験」と呼べるものではなかろう。喪主として様々な経験をするが感動を伴うものではなかった。◆今年は6回、海外に出たがいずれの国も初めて訪れるものではなかった。15年ぶりに行った中国、4年ぶりのスイス、この二国への出張は今年の経験の中では印象的ではあった。だが、どちらも初めてその国を訪れたときの感動にはかなわない。ただ前回のスイス出張では立ち寄らなかったチューリッヒに今回は3泊できた。魅力的な経験であり今後長く思い出になることだろう。◆何か特筆すべき今年あった「私の初体験」はないものかと探してみた。一つあった。先月の異業種交流会「マホロバの会」でのこと。私が幹事であった。今回の参加メンバーは私を含めて7人。すこし贅沢に南青山の高級フレンチの個室で開催した。アペタイザーが終わり、ワインを頼むことになった。どのワインにするかは幹事の私に任された。普段はメルローかカベルネソーヴィニオンを注文することが多いのだがなぜかその日はブルゴーニュのピノノワールを飲んでみたかった。ワインリストの中から廉価な(といってもかなり高級なのだが)ワインを選んだ。やがてソムリエがワインボトルを手に私の隣にやってきた。見事な手つきでコルク栓を抜くとそのコルクを私の前に置き、グラスにほんの少し注いだ。私はコルクの香りを確かめた。「変な香り!」と思ったが「これが高級ピノノワールの香りなのだろうか」とも思っていた。一口飲んだ。やはり旨くない。勇気を出してソムリエに尋ねた。「ごめんなさい、僕よくわからないんだけどピノノワールってこんな味なの?ひょっとしてブショねってるってわけじゃない?」と。ソムリエは「少々お待ちください」と言って、そのボトルを持って個室から出て行った。数分後彼は戻ってきた。「大変失礼いたしました。別のボトルをご用意しました」と言いながら新しいボトルの栓を開けた。同じ銘柄だが、今度のは旨かった。◆ワインの試飲でダメ出しをしたのが、今年あった数少ない初体験であった。
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◎2016年12月15日 ---- ボス ◎
- 嬉しい話
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12月10日、私がタイへ出張している間に、当社の頑張り屋、安(あん)クンに子供ができた。元気な女の子だという。今年は私の母が2月に亡くなったのをはじめ、何かと悲しいニュースが多かった。例年になく多く葬儀に参列した。さらに師走になりこれまた例年になく多く「喪中はがき」が届く。「〇〇さんの奥様が亡くなったんだって」「△△さんはお子さんを亡くしたそうだ。辛いだろうね」・・家人と連日そんな会話が続いてい。そんなところに久しぶりの明るいニュース。「安のところに子供できたってよ」と伝えたら「そう、良かったわね! どっち? 男の子?女の子?」と明るい表情で質問が返ってきた。◆安クンと同じく頑張り屋、安クンとも仲の良い同僚の田内(たうち)クンからも昨日嬉しい話を聞いた。田内クンの奥様は元は当社の社員だった。だから私は田内夫妻を結婚前からよく知っている。娘のみどりちゃんが生まれた時もよく覚えている。(学生時代に私が付き合っていた女性と同じ名前を娘につけてくれたことが嬉しかったこともある。) 昨日、何気なく田内クンに尋ねた。「みどりは幾つになったの?」私は親しみを込めて「ちゃん」を付けずに「みどり」と呼び捨てで呼ぶことも多い。「9歳になりました」「3年生?」「ええ、3年生です」「元気なの?」「ええ、とっても元気ですよ。そういえばこの間みどりが・・」と田内クンが話し出した。◆「近所の人から聞いたんですけど、みどりがどこかのおばあちゃんの手を引いてバス停まで連れて行ってあげてたそうなんです。みどり本人からはその話はないんですがその近所の人から聞いて嬉しくなりました」とまたまた彼も嬉しそう。私もとても嬉しくなった。田内クンも、奥様も、どちらも優しく礼儀正しい頑張り屋。二人の「血」をつぎ、二人から十分な「愛」をもらって育っているみどりちゃん、間違いなく「優しく、礼儀正しく、そして頑張り屋さん」になることだろう。
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◎2016年12月14日 ---- ボス ◎
- 逃げるアホ、庇うアホ、報じるアホ、何も感じないアホ、黙っているアホ
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①「東京都世田谷区で起こした当て逃げ事故について、人気お笑いコンビ『NON STYLE』の井上裕介さん(36)は13日までに、所属事務所『よしもとクリエイティブ・エージェンシー』を通じ、『誠意をもって対応する』などとする謝罪のコメントを発表した。」(Yahooニュースより)◆②「お笑いコンビ、ウーマンラッシュアワーのボケ担当、村本大輔(35)が13日、ツイッターを更新。お笑いコンビ、NON STYLEの井上裕介(36)が11日午後11時45分ごろ、東京・世田谷区内で乗用車を運転中にタクシーと衝突し、運転手に全治2週間のけがを負わせたまま逃走した件について、『井上責める権利は誰にもなし。法律は厳しくあっていいけど、人は優しくあれよ』と持論を展開した。」(同じくYahooニュースより)◆昨日も書いたが、この二つの記事、おかしくないか? ①はどう好意的に見ても重大な過失責任のある井上を「さん」との敬称をつけて報じている。ところが②ではその事件に関して発言する村本には「さん」が付かない呼び捨て。◆逃げた井上は大バカ。これを庇う村本も同程度のバカ。「さん」を付けたり呼び捨てしたり、報じるYahooニュースの記者もアホ。私に言わせれば、その記事をなにも感じずに読んでいる多くの読者もやはりアホ。◆さらに・・・。私が「おかしくないか?」と尋ねると「キノシタさん、私もあの記事読んで『おかしいな』と思ったんですよ」と答える者が複数いた。「あなたはその『おかしいな』という感想をだれかに伝えたのですか?」と私が問うと彼らはみな「いいえ」と答えた。◆家庭でも仕事場でも、いろんな会話を楽しむべき。黙っていたんじゃなにもわからない。「おかしいな」と感じることと「おかしいよ」と発言することは大きな差がある。「おかしい」と感じたときは同僚でも友人でも家族でもいい、「おかしくない?」と聞いてみて欲しい。いろんな意見が聞こえてくるし会話も弾む。◆私は当社の社員に対し「情報の共有」ということを繰り返しお願いしている。しかし実はこれがなかなか簡単ではない。自分の考えを口にしないことが「情報の共有」を遅らせている一因なのだろう。そんなことを考えている。◆モノを感じない、感じても発言しない・・・こんな「使えない」「食えない」ヤツばかりが増えている感じがする。
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◎2016年12月13日 ---- ボス ◎
- なぜ さん付け?
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お笑いコンビ「NON STYLE(ノンスタイル)」の井上裕介さん(36)が乗用車を運転中にタクシーと衝突し、逃走したとされる事故で、所属事務所は13日、「事故後の対応を最優先させる」として井上さんを当面、休養させることを明らかにした。・・・(以上 Yahooニュースより) ◆ Yahooニュースに限らない、テレビでも複数の局が「井上さん」と、さん付けでこの事件を報じていた。自分の不注意でタクシーに衝突し、タクシーの運転手にケガを負わせ、自分はその場から逃走した人間をなぜ敬称の「さん」を付けて報じるのか私には理解できない。私は、そのニュースをテレビでボーッと観ながら「おかしいよ」とも感じない視聴者に対しても「あなた、このニュース聞いて『おかしいよ』って感じないわけ?」と聞きたい。◆いろんな事象に対して、自分の考えというものを全く持たない無教養・無感動・無関心のできそこない人間ばかりが増えている気がする。
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◎2016年12月13日 ---- ボス ◎
◎2016年12月08日 ---- ボス ◎
- 転勤 ・ 単身赴任
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連日、忘年会が続いている。15日を過ぎると「業界」であったり「会社」であったり、いささか硬い感じの集まりが多くなるのだが、11月末から12月上旬の間は同世代の仲良しが集まる忘年飲み会が多い。◆月曜、火曜、水曜とそのような忘年会が続いた。60歳近いオジサンたちの忘年会の話題は大抵が「健康」「親の介護」「退職後の生活」。「健康」では「小便の切れが悪くなった」「朝勃ちしなくなった」「心臓の手術をした」「認知症の前兆がある」など。元気な話はまったくない。「親の介護」は現在奮闘中の者と私のように最近終了したものが半々くらいか。いずれにしても苦労話になる。「退職後の生活」に関しては「家庭菜園できればなあ」「せめて年金がもらえる年までは働きたい」など様々。◆どの話題も決して明るいものはないのだが、それを笑顔で明るく話せるようになったのも年の功なのだろう。私の仲間たちはみな、暗い話題でも明るく受け止め楽しく話す達人ばかり。共通した考えは「子供より先に死ねればそれで幸せ」「順番だけは守りましょう」ということ。そうでありさえすればすべてハッピー、という感じだ。◆社会人になっての35年間を振り返る話題になると、誰からとなく必ず「単身赴任」の頃のエピソードが語られる。実は私は24歳で上京、26歳で結婚して以来一度も転勤がない。ずっと東京近郊で家族で生活してきた。年に数回海外出張もあるが、長くても一週間程度。転勤も単身赴任も経験がない。50歳になる前までは、同窓会で「オレは転勤も単身赴任も経験ないんだ」と言うと皆に羨ましがられていた。忘年会に参加する私の同級生は、私を除いて全員が単身赴任kぇ意見者であった。単身赴任の大変さを経験者が語っていた。ところが60歳前になって同じように「オレは転勤も単身赴任も経験ないんだ」と話すと皆が一様に「そりゃ可哀そうに」と私に言う。「単身赴任は大変だと思うかもしれないけど、楽しいことも多いんだよ。言えないことも多いんだよ」・・みんながニヤニヤしながら私に同情のまなざしを送ってきた。知らなかった。
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◎2016年12月01日 ---- ボス ◎
- アタマの悪い政治家は 「カジノ」 しか思いつかない
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「カジノ解禁法案」が衆院内閣委員会で審議入りした。アタマと根性の悪い政府・自民党は、今国会での成立をめざしている。アタマは悪いが利権にたかることには長けている彼らは「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに財政の改善に資する」などとほざいている。これに対し共産党は「賭博を経済対策の目玉にする法案は断じて許されない。国民の多数は反対」と訴える。よほど共産党の主張の方がまともだ。◆国内に、マカオやラスベガスができる訳がない。韓国のように「外国人専用」とするのでは、中国人以外のインバウンドの少ないわが国では大した利益は見込めない。マカオが、ラスベガスが、アトランティックシティが「カジノで儲けている」と聞いて簡単にそれをマネしたがる。自分のアタマで考えることのない我が国の政治家の民度の低さが嘆かわしい。そのうちに「赤線復活法案」などが出てくるのだろう。◆目先のカネのためなら、誇りも道徳も捨て、安全すら重要視しない。三流国に成り下がろうとしているようだ。◆アベノミクスの「第三の矢」が出ないと言われて久しいが、この「カジノ解禁」が「第三の矢」であると言うのならこの国は沈没に向かっていると私は断言する。
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