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2022年04月27日 ---- ボス

欲しいモノから逃げるのは?

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「デパートに行きたいな。私、デパート大好きなの。でもデパートに行くとまたいっぱい欲しいモノが見つかっちゃう。欲しいモノができても私はおカネがない。欲しいモノがあってもそれが手に入らないと辛くなるでしょ。悲しくなるでしょ。だからデパートに行かないの。我慢してるの」◆娘が社会人になったばかりのころ、そんなことを言っていたのを覚えている。「それなら一所懸命に働いてお給料が上がるように努力しないといけないね」などとは言えなかった。少々働いても、努力しても、大会社のOLの給与などは年間5%も上がることはない。彼女の努力だけでは無理だった。◆「なにが欲しいの?一緒にデパートに行こうか。父さんが買ってあげるよ」と言ったことが実は何度かある。「甘やかしてはいけない」と思いつつも娘の喜ぶ顔を見るのが私にとっても最高の喜びだったから。それでもやはり「甘やかしてはいけない」と私は思い、娘も「甘えてはいけない」と遠慮することが多かった◆娘のことから自分のことへと話は変わる。サラリーマンを辞めたころから「欲しいモノ」が増えた。「お金が欲しい」「安定が欲しい」「子供たちの健康が欲しい(子供たちが幼いころ大病した)」「仕事(受注)が欲しい」「家が欲しい」世の中には欲しいモノばかりだった。そしてそれら欲しいモノの多くは「一所懸命働いて努力すれば、やがて手に入るのではないか」と思っていた。そこが大企業OLの娘と、リスクを冒して起業した私の違うところ。◆私は一所懸命に働き、努力した。結果的にあのころ欲しかったモノの多くは手に入った。確かに一所懸命に働き努力もしたが、いま冷静に振り返ると「運」が良かった。部下に恵まれ、友人に恵まれ、家族に恵まれ、時代の流れに恵まれた。運が良かったから多くの「欲しいモノ」が手に入った。◆都会で暮らしていると、還暦を過ぎても新たに「欲しいモノ」が見つかってしまう。(恐らく田舎に暮らしていると新たに「欲しいモノ」は見つかりにくいのではないだろうか。私はそう思っている)還暦過ぎて見つかる「欲しいモノ」はまず手に入らない。諦めるしかない。それでも欲しい。「欲しいモノがあってもそれが手に入らないと辛いからデパートへ行かない」と言った娘の言葉を思い出す。◆娘は「デパートへ行かない」ことによって自分が辛くならないようにした。私はそろそろ「田舎へ引っ込む」ことによって「欲しいモノ」が見つからない生活にしようかなどと考え始めている。

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