◎2018年12月25日 ---- ボス ◎
- 謝ることを忘れた日本人
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三連休初日の土曜日、私は前日やり残した仕事があり昼過ぎから会社に出た。午後6時頃、一区切りついたので車で帰宅した。マンションの駐車場、私の車のスペースに見知らぬベンツが停めてある。困ったな、明日は客とのゴルフの予定が入っている。早朝、客をピックアップしてゴルフ場へ向かわねばならない。◆来客用の駐車スペースがあるがそこにも既に車が停まっている。管理人は既に帰ったようだ。しようがなく近隣のコインパーキングに向かったが三連休のためだろうか、近いところはみな満車。やっと「空き」のあるパーキングを見つけ、そこに停めた。自宅まで5分歩く。自宅に入る前に、ベンツのフロントウインドウに「このスペースは○○号室用です。困っています。移動して連絡をください」とメモを残した。もちろん私の電話番号を書き添えた。◆帰宅して家人に状況を話した。「管理人さんは?」と家人。「もうとっくにいないよ」と私。「困ったな」を繰り返していると家人が「防災センターに訊ねましょうか?」と言い出した。「おっ、その手が残ってたか」◆近隣のマンションを統括する防災センターに家人が電話を入れた。ベンツのナンバーを伝えている。◆私は期待せず待った。期待はしていないが、もし連絡がくれば車を今夜のうちに移動したい。晩酌も控えて夕飯を取った。その時、電話が鳴った。家人の話し方から防災センターからの連絡だと分かった。「はい、はい、そうですか、ありがとうございます。」を繰り返している。「で、それだけですか?」と怪訝そうな声で尋ねている。「そうですか。ありがとうございました」と彼女は頭を下げて受話器を置いた。私を向き、少し微笑んで「見つかったそうよ。すぐに移動するって。なんでも車の修理に出していて、業者さんに間違えた番号を伝えてたらしいの。防災センターからの電話に『大変申し訳ないって先方に伝えてください』って言ったそうだけど・・。ま、今夜のうちに分かって良かったですね」とのことだった。◆私は「困っています。連絡ください」とメモを残し部屋番号まで書いたのにベンツの主からの連絡は無かった。防災センターの人間に「大変申し訳ないって先方に伝えてください」と言うだけで終了するのが今の日本人なのか?その失礼な、ベンツに乗っている相手は、どこの誰だかわからない。防災センターの担当者も教えてくれない。ナンバーは分かっているので管理人を通じて文句を言えばコインパーキング代くらいは払ってもらえるだろうが、それも面倒だ。払ってもらっても余計に腹が立つのだろう。◆話は変わるがテレビのCMで交通事故を起こした人に対し「私が相手とお話ししましょうか」と保険屋が伝えるモノがある。自分の非によって起きた交通事故でも謝らない者が多いと聞く。「ごめんなさい」を言わずに「あとは保険屋で」とその場を去り、たとえ相手がけがをしていても病院に見舞いにすら行かない者が多いようだ。情けない。◆翌日のこと。「明らかな自分のミスでも誰かに替わって謝ってもらうズルい情けない輩が増えた。謝ることを忘れた日本人が多くなった」・・そんな話をしながら、客とゴルフを楽しんでいた。そこに隣のホールから「ファー」とキャディさんの大声。同時にボールが転がってきた。「すみませーん」と叫びながらキャディさんが走ってきた。「大丈夫ですよ。」と私が答えているとキャディさんの後から数本のクラブを持った中年の男がやってきた。私が見ていると彼は何事もなかったようにボールを打ち、自分のホールに戻って行った。自分のミスで隣のコースの者に迷惑をかけているのにキャディに謝らせて自分は平気な顔。「あんたが打ったボールでしょ?なんでキャディさんに謝らせて自分は知らない顔しているの?あんたが『ごめんなさい』って言うべきじゃないの?」私は言いたかったが我慢した。◆いつから日本人は人様に迷惑をかけても自分で頭を下げ自分で「ごめんなさい」を言うことをしなくなったのだろう。◆本当に腹が立つことが多くなった。
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