2019年03月07日 ---- ボス

出生前検査

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息子が生後6か月の検診で異常が見つかった。小児がんの一種だという。すぐに手術することになった。歩くことも話すこともできない幼い息子の身体にメスを入れることが辛かった。怖かった。それだけではない。手術の前の医師の説明はさらに怖かった。◆「目が見えなくなる可能性はゼロではありません。下半身不随になる可能性もあります。開いてみないことには分かりません」とのことだった。私と家内は「視力を失いませんように!下半身不随になりませんように!」と神や仏に祈った。◆手術当日の朝、私はとんでもないことを考えていた。これまで誰にも言ったことはなかったが、ここで正直に話そう。「視力を失うくらいなら、或いは歩けなくなるくらいなら、死んだ方が楽かもしれないな」とふと思った。思ってしまった。生後半年とはいえ自分の子、深い愛情は芽生えている。それでも「本人も死んだ方が楽かもしれない」「育てる方も、悲しいがもう一人子供を作ることは可能だ。その方が楽だろう」そんなことを考えていた。「ひとでなし!」と貶されることが恐ろしくてこれまで誰にも言わなかった。もちろん当の息子はそんなことは全く知らない。あれから27年経った。息子は元気に成長し、仕事や遊びに頑張っている◆なぜ今日このようなことを書いたか、というと・・。先日の新聞記事、今や出生前診断によってダウン症の子供かどうかが判断できるようになったという。そしてダウン症であることが判明した場合85%が堕胎するという。考えさせられた。◆ダウン症の子を持つ親の多くが「ダウン症でも我が子は最高に可愛い」という。それなのに、妊娠数週間でお腹の赤ちゃんがダウン症だと言われれば多くの親はその子を「いらない」と言う。◆もちろんそこにはすごい葛藤があることだろう。また、ダウン症だと分かっていても15%の親はその子を産むのだ。こちらも辛いことだろう。◆医学は日に日に進歩する。我々はかつては経験しなかった葛藤をしなければならなくなった。「命・病気・看病」軽々と話題にできない。難しい問題。難しいから誰も発言しない。それではダメだと思い27年前の私の辛い葛藤をお話しした。



出生前診断を受けるかどうか。受けたとして仮にダウン症候群(ダウン症)などの異常が見つかったら、どうするか。

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