2020年05月23日 ---- ボス

もう十分じゃありませんか?


黒川検事長を検事総長にするために無理くり行った閣議決定、私は「これはダメでしょ!」と思っていた。さらに続く検察庁法の改定案にも反対だった。それは5月11日にこの欄でも訴えた。世間の猛反発を受け、与党は今国会での成立を諦めた。その直後に発覚した今回の黒川氏の醜聞。黒川氏は、ほぼ確定していた検事総長への道が閉ざされ辞職に追い込まれた。私は黒川氏に同情する。◆おそらく「検事総長になりたいです」と官邸に本人がお願いしたのではないだろう。本人はおとなしく名誉ある東京検事長を最後に定年退職しているはずだった。官邸か或いは官邸に近い人間が要らぬ忖度をして、黒川氏の検事総長へのルートが無理やり開かれた。これに対し野党やマスコミが騒ぐ。騒ぐのはもっともだ。私も不愉快だった。◆耐えきれず、本人も官邸も黒川検事総長誕生を諦めかけたところでの醜聞発覚だった。「この時期に、新聞記者の自宅の、狭い密室で、麻雀し、帰りはハイヤー」がマスコミに見つかった。完全に検事総長への道が閉ざされた。それどころか辞職をすることになった。私は「もう彼は十分すぎるほど社会的制裁を受けたんだし、その辺で許してあげれば?」と思う。そもそも黒川さんが仕掛けた無理な出世話でもないだろう◆野党やマスコミは「賭け麻雀」を問題にしている。野党でもマスコミでも60歳以上のまともな方は殆ど「賭け麻雀」の経験があるはずだ。おそらくつい数年前まではやっていただろう。彼らは「法に触れる悪い事」だから賭け麻雀を止めたわけではない。「やるチャンスが無くなった」から最近していなかっただけだ。◆「検事は法の番人なのだから一切法に触れることはやってはいけない」などと言えばキリがない。「高速道路は左車線を法定速度で走らなければならない」「風俗店に入ってはならない」「不倫してはならない」「麻雀するのはいいが賭けてはいけない」「ゴルフではオリンピックをしてはいけない」・・こんなことをすべてきちんと守っている検事なんて人間ではない。コンピューターと同じになる。◆検事は「まず自分が誰よりも普通の人間である」ことををこころがけるべきだと思う。黒川さんをいじめるのは、もう十分じゃありませんか?◆これまで大変な功績をあげて来た。退職金は満額払って静かに送り出してあげましょうよ。これ以上黒川さんをいじめたら誰も検事になんかなりたくなくなりますよ。◆くどいけど、「軽い賭け麻雀」や「10キロ程度の速度超過」はまったくしない人よりはしている人の方が検事に向いていると私は確信している

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