2022年01月07日 ---- ボス

建設現場は雪をかく


三十歳まで前田建設の土木技術者として働いていた。仙川にある白百合女子大学の近くで工事をしていたときに大雪に見舞われた。重機は動けないし「鍛冶屋」も「飛び」も危険だから現場は休みになった。作業員は出てこない。作業員は来なくても現場監督の仕事は多い。京王線の仙川駅から白百合女子大学まで通学用の通路を確保しなければならない。サービスである。◆薄汚れたドカジャンを着てヘルメットをかぶり一所懸命にショベルで雪をかいて歩道を作る。最初はやっと一人が歩けるだけの通路だが、それを少しずつ広げていく。大変な作業。◆雪かき作業をしている横をキレイな女子大生が「おはよーございまーす」とか「おつかれさまでーす」などと言いながら通って行く。白百合女子大学に通う女子大生はみんな感じが良くそして美人ばかりだった。彼女たちは決して「上から目線」ではないのだが私は卑屈になった。「できるなら無視して欲しい」「たった3年前、オレも学生だった。あのころに出会っていれば君たちとお友達になれたかもしれないのに・・・」そんなことを思いながら必死で雪かきを続けた。惨めだった。◆あれから40年が経った。今朝、東京の街が白くなった。新橋、虎ノ門も白くなった。工事現場の周りだけはキレイに早朝から雪かきされていた。

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2024年04月19日 ボスの
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