◎2022年01月18日 ---- ボス ◎
- あんなに眠たかったのに
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二十歳代の後半、土木技術者として都市工事の現場監督をしていた。ものすごく働いた。働かされた。毎日毎日へとへとになるまで働かされた。現場監督と言っても土工作業員と同じ仕事もする。朝の7時から翌日の昼過ぎまで連続30時間勤務もあった。ブラック企業なんてものじゃなかった。◆この時期の夜勤はきつい。寒い、眠たい。さらに現場にケガは付きもの。骨折こそしなかったが、いつも打撲や捻挫や切り傷でどこかが痛かった。◆夜の1時を回るとたまらなく眠たくなる。いろんなところでほんの少し眠った。ダンプの助手席で2分、アパートの階段で1分、仮設トイレ(汚い和式)で立ったまま眠ったことも。少し余裕があるとセメント袋の上で寝た。セメントはホッカイロみたいで暖かい。事務所に戻って折り畳みテーブルの上で寝ることができたら最高だった。よく耐えたと思う。◆あれから30年以上経ち、毎日、暖房の効いた部屋でふかふかのベッドでゆっくり寝られる。ところが眠たくならない。私は睡眠薬がないと眠れないカラダになってしまった。あのころに自分に今の環境をプレゼントしたら、どれだけぐっすりと眠るのだろうか。そんなことを考える。
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