2023年03月06日 ---- ボス

採点ミス

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富山大学は去年2月に行った入学試験で採点ミスがあり、その結果、本来合格とすべき5人を不合格にしていたなどと発表しました。(日テレNEWS)◆実は私も採点ミスで危うく留年するところだった。当時の九州大学は2年生の前期までが教養学科中心で六本松キャンパス、2年後期から専門学科の箱崎キャンパスへと移ることになっていた。学生は2年生の前期までに一定の単位を取得できなければ留年することになる◆私は「物理」の試験に落ち再試験に挑んだ。これが落ちれば留年、これが通れば進学決定の試験。真面目に勉強して再試に臨んだがとても難しい問題だった。数日後、物理の教官室で答案用紙を教官から直接もらうことになる。その日、教官室の前には数人が待っていた。一人ずつ呼ばれて教官室に入り、5分後に出てくる。笑顔の者もいれば落ち込んでいる者もいた。私の番になった。机を挟んで教官(教授)と向き合う。私の目の前で〇✕を付けていく。一問ずつ「10点」「10点」「15点」「15点」「15点」「15点」「20点」の7問。100点満点で60点以下は不合格。◆教官がブツブツ言いながら私の目の前で採点する。そして「55点。不合格です。キミが橋を設計するとその橋は落ちてしまうかもしれない。そういう方は合格させることができませんね」などと嫌味を言われた◆「落第だ!留年だ!おふくろになんて報告しようか?」うなだれて教官室を出た。少し冷静になって採点された用紙を見てみた。何かが引っ掛かっていた。答案用紙を見て、各点数を足してみた。55点ではなく65点だ!先生の間違いだ!◆私は教官室に戻った。次の学生に対応していた教官は「なんだね、キミは!」と私を睨んだ。「いえ、採点間違いなのです」と私は言って次の学生の横で点数確認を行った。教官は照れたような顔と声で「おお、これは悪かったな。私の足し算の間違いだね。良かったね。キミは合格ですよ」と言った。本来なら怒るべきところだが私は嬉しかったので笑顔で教官室を出た。◆あの日、すぐに教官室に戻ったから私は救われた。気付かなければ六本松キャンパスで教養学科をもう一年学ぶところだった。たった一学科「物理」のために。思い出してもぞっとする。でも私は「運が良かった」と思うことにしている。

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2024年04月24日 ボスの
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