◎2025年08月26日 ---- ボス ◎
- 8時半の男
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私が子供の頃、プロ野球巨人軍に「8時半の男」と呼ばれるリリーフエースがいた。夕方6時に始まった試合は巨人がリードで終盤に入る。そうすうると逃げ切りを図る川上監督が「宮田」をマウンドに送る。宮田が投げると巨人は無事にその試合を勝ち切ることができた。宮田がマウンドに上がるのは毎晩8時半ころだから「8時半の男」と呼ばれていた。◆コロナ禍の最中から銀座近辺で私も「8時半の男」と呼ばれるようになった。◆コロナ禍によって私の飲み方は大きく変った。コロナ以前はお客様を誘って7時ころから会食しそのまま深夜までダラダラと飲むことが多かった。いわゆるハシゴをしない夜はほとんどなかった。ところがコロナによって私の飲み方も大きく変った。夕方5時にそっと店に入り静かに飲んで7時過ぎには帰るようになった。コロナが落ち着いてきてからもハシゴすることはなくなった。◆年齢からくる「老い」や長年経営者をやってきた「疲れ」もあるのだろう。私はハシゴをすることが苦痛になってきた。ほぼ毎日、銀座へ出るがどこで飲んでいても8時半になると帰るようになった。◆「ごちそうさま。お勘定お願いします」と言うと「おっ、8時半の男、木下さんがお帰りですね」とマスターにニコリとからかわれることが多くなった。
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◎2025年08月19日 ---- 未分類 ◎
- 羽田空港 大分空港
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久しぶりの盆帰り。大分に五泊してきた。往復ともANAを利用した。往復とも出発が遅れた。搭乗ゲート前で長く待たされた。◆11日、羽田空港47番搭乗口前で私は30分間近く立って待つことになった。待合用の席は十分な数があるのに、多くの席が手荷物で埋まっている。自分の座っている席の隣にバッグを置いて平気なヤツばかり。「すみません。荷物どけてくれますか?座りたいのです」と言えば荷物を降ろしてくれるのだろうが、なかなか言いにくい。座れずに、立って搭乗を待つ客が多かった。気配りのできないバカな観光客が大勢いた。◆16日、大分空港1番ゲートでは1時間以上出発が遅れたが私はゆっくりと待合席に座って待つことができた。大分空港の待合席では隣の席に荷物を置いている者はいなかった。自分の荷物は膝の上か床の上に置いている。場内放送で「荷物を席に置かないで」などとお願いしているわけではない。大分空港の客は気配りできてマナーが良いのだ。◆羽田空港のマナーの悪い連中は「羽田から大分へ向かう」客。大分空港のマナーの良い客は「大分から羽田へ向かう」客。つまり同種の人間が乗っているはずなのに、なぜ羽田ではマナーが悪く大分ではマナーが良くなるのかが不思議だ。
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◎2025年08月06日 ---- 未分類 ◎
- 銀座「あまのや」の思い出
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銀座8丁目のビルの4階に「あまのや」という小さな寿司屋があった。主人と奥様の二人でやっている感じの良い店だった。寿司も肴もとても旨かったがそれ以上に客層が良いことが印象的な店だった。その客同士がすぐに仲良くなって会話が弾む店だった。私も多くの感じの良いお客様と知り合った。◆小粋なオネーサンがカウンターで一杯やった後「これから清元のお稽古なの」と帰っていったことがあった。「やっと千秋楽、終わったー!緊張しっぱなしだったー!」と言いながら楽しそうに飲んでいる宝塚歌劇団の娘たちも来ていた。あるいは慈恵医大の高名な医師も後輩を連れてこられることが多かった。そんな中にいつも周りからチヤホヤされている品の良い老人がいた。両脇に上品な女性を従えていた。ある時に女将から「あら?キノシタさんには紹介していなかったっけ?」「こちら作曲家の中川博之さんよ」と教えてもらった。◆私はカラオケをあまり好まず、数年に一度程度しか行かないのだがカラオケに行って歌うのは「さようならは五つのひらがな」か「ラブユー東京」。どちらも中川先生の作曲だ。◆「あまのや」一番の客であった慈恵医大の高名なドクターもよくこの店で中川先生の作品「愛をありがとう」を歌っていた。◆中川先生が亡くなって10年以上になる。昨日、ふと思い出した。というのも私も結婚式に招かれた大学時代の同級生T君の奥様が亡くなったとの知らせが届いた。優しい奥様だった。T君がかわいそう。どう声をかけていいのか分からない。私がカラオケが上手だったらT君に「愛をありがとう」を教えてあげるのだが・・。
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◎2025年08月05日 ---- 未分類 ◎
- 断捨離は難しい
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公私ともにスケジュールを詰め込み過ぎてまったく余裕のない3週間を過ごした。スケジュールの中に「自宅の引っ越し」もあった。13年間住んだ居心地最高の広尾から離れるのは寂しかったが新居にも満足はしている◆引っ越しをするとなるとあらためて荷物の多さに呆れてしまった。思ったのは「『引っ越し』って断捨離をするチャンスだな」ということ。家人に向かって「チラッとでも『これ、なくてもいいかな』と思うようなものは迷わずに捨てろ!」と厳命した。(というのはウソで「チラッとでも『これ、なくてもいいかな』と思うようなものがあったら捨てちゃいましょうね」と優しく言った)◆自分でも「迷ったら捨てよう」と決めたのだが、これがなかなか難しい。古いパンツでも「まだ履けるな」と思ってしまう。いつ買ったのか分からない趣味の悪いバッグは「でも、このバッグ、一度も使ったことないな。使わずに捨てるわけにいかないな」と思ってしまう。ズボンも靴下も捨てられない。唯一、どうどうと「これは捨てよう」と思ったのは消費期限の切れたクスリ類だけ。◆「迷ったら捨てる」と決めていたのに実際は「オレは忙しい。時間がない。迷うヒマもない。迷ったらとりあえず段ボール箱に詰めて送り、向こうに着いてから捨てればいいや」と思うようになった。人間、歳を取るとジャッジを先送りするようになる。これでは断捨離も進まない◆こんな、ジャッジを先送りするような人間がいつまでも経営者をやっていてはいけない。そのことが確認できたのは大きな収穫だった。新居にはまだ段ボール箱が山積みになっている。
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