2015年12月22日 ---- ボス

笹子トンネル コンクリート天井版崩落事故

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中央自動車道笹子トンネルで2012年12月、天井板が崩落し9人が死亡した事故で、犠牲者5人の遺族が中日本高速道路などに約9億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、横浜地裁であり、裁判長は過失責任を認め、約4億4000万円の支払いを命じた。中日本高速側は、トンネルの安全性に不備があったとして賠償責任を認める一方、「天井板の落下は想定外」と過失責任を否定。原告側は「事故は予見できた」と主張し、点検に関わる過失の有無が争点だった。(以上、時事通信より)◆私は一人の土木技術者として、この判決は至極当然のものと断言する。いや「天井板の落下は想定外」などとふざけた言い逃れをしている中日本高速道路に対して憤りすら感じる。私は九州大学の土木工学科をビリで卒業したが、その私でも「そんな設計ではいつかは落ちる」と断言できる。原告側の、「事故は予見可能で、必要な点検をしていれば防げた」との主張はもっともなのだが、そもそもなぜあんな設計にしたのか、土木技術者としては不思議でならない。点検するのが難しい高速道のトンネルの天井版、まともな設計者なら重量のあるコンクリートは使わない。少し高くなるかもしれないがスチール製のグレーチングかアルミのデッキを使う。◆少々のコスト削減のために安全を犠牲にしたのなら許すことはできない。私が原告なら「当時の設計責任者、出て来い!」と叫んでいる。◆いま、ヘリポート建設でも全く同様の事態が進んでいることも申し添えておく。30年後、40年後、ヘリコプターの着陸時に壊れるヘリポートが出てくるかもしれない。私がいくら注意をしても、耳をふさぐ設計者が多い。「キノシタさん、事故が起こるとしても30年後か40年後でしょ。そんときは私は、とっくにもうこの世にいませんから」・・言いながらニヤッと笑う不誠実な設計士がいる。

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