2014年08月02日 ---- ボス

「盆帰り」と「方言」(その2)

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昨日このコラムで我が郷土、大分県佐伯地方の「長幼の序」を表す方言について書いた。◆先輩と後輩が一緒にラーメン屋に入った。ラーメンを食べて、東京では「おいしいねえ」と表現するところをこの地方では先輩と後輩で表現が微妙に異なる。先輩は「旨いのう」と言い、後輩は「旨いなあ」と言わなくてはならない。先輩に向かって「旨いのう」と言うとぶん殴られる。「のう」と「なあ」で上下関係を明確にしている。この地方には尊敬語や謙譲語は存在せずすべて終助詞によって上下関係を表すことができる。◆高校を卒業した私はその後、福岡市で6年間を過ごす。福岡の場合は上下関係を示す終助詞がない。ラーメン屋で「おいしいねえ」を表すのは先輩も後輩も「旨かねえ」「旨かねえ」である。距離を置く先輩に対しては「旨かですね」と一部が標準語に替わるだけ。この点では佐伯地方の方言の方が緻密にできている。ただ私が福岡に来て驚いたのは、佐伯地方にはなかった謙譲語や尊敬語を子供まで使っていること。目上の人がどこかへ行ったことを伝えるのに佐伯地方では「行った」だが福岡では「行きんしゃった」となる。佐伯では「買った」が福岡では「買いなさった」に替わる。佐伯では「私が行くから・・・」と言うのに福岡では「私が伺いますけん・・・」となる。◆終助詞のみで上下関係がはっきりする佐伯。謙譲語・丁寧語のしっかりとしている福岡。若い世代をこの面白い方言の二つの地域で過ごすことができたことは私にとってとてもラッキーだった。

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2024年04月26日 ボスの
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