◎2017年12月20日 ---- ボス ◎
- クリスマス
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私が歳を取り、にぎやかなところに行く機会が減ったためなのかもしれないが、クリスマスの活気を感じることが以前よりも少なくなった。個人的に、クリスマスには悲しい寂しい思い出も多いのだが決してクリスマスは嫌いなイベントではない。訳のわからないハロウィンなどに比べたらはるかに心ときめくイベントである。宗教の垣根を超え、もっともっと多くの方がいろんな趣向でクリスマスを楽しんで欲しい、と思う。◆だが一方でクリスマスを心から楽しむことができない子供たちがいることも忘れないで! 私は小学校2年生の正月に父母姉と一家4人で乗っていたタクシーの事故で目の前で父を亡くした。それまでの裕福な生活が一変した。事故で大けがをした母が退院するのを待って転居した。転居先は同級生の家の二階に間借りするというものだった。◆小学校3年生のクリスマス、階下に住む同級生の家に友達が集まった。「モトミくーん、一緒に遊ぼうよ」下から声がかかった。私は友人たちが待つ下の階へ下りた。そこでは友人たちが各々、自分がサンタさんにもらったプレゼントを持ち寄って自慢しあっていた。私はなにもプレゼントがなかった。◆「サンタクロースなんていないんだよ」友人たちに向かってそう叫びたかったが、私は黙っていた。そう叫ぶ代わりに「いいなあ」と彼らを羨ましく思う声を発していた。みんな自分がもらったプレゼントの自慢に夢中で、誰も私の寂しさ、悲しさには気づかなかった。気付かないでくれて良かった。◆小学校の間、私はクリスマスが苦手だった。今、思い出しても涙が出てくる。あの頃の自分に「よく頑張ったね」と時々声をかけている。
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