◎2017年12月25日 ---- ボス ◎
- 建設業界の談合体質
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リニアモーターカー新幹線の建設工事をめぐる談合疑惑が毎日大きく報じられている。私は九州大学の土木工学科の出身。建設業界の友人は多い。彼らは今回の事件に対し何も語らない。「とんでもない、腹が立つ!」と怒るヤツもいなければ「いまだに談合やっていたなんて、情けない」と嘆く者もいない。逆に「談合は必要悪だ」「談合はなくならないでしょ」と肯定する者もいない。業界の中に身を置いている連中はこの件に関しては親しい友人にさえも「黙して語らず」の姿勢を貫く。◆建設業界以外で働く人の方が多く語る。マスコミと主婦と学生は「とんでもない!」と言う。私の回りでは、タクシーの運転手と会社経営者と銀座のクラブのママは「しょうがないでしょ」と言った。◆私は友人たちと同じく基本的には「黙して語らず」で行きたい。だが、ただ一つ言いたいことがある。◆「悪い談合」によって「巨額の利益をあげているゼネコン」の社員たちは、それを報道するテレビ会社の人たちよりもはるかに安い給料で、はるかに劣悪な環境で働いている。多くのゼネコン職員は東南アジアへ長期単身赴任経験がある。テレビ会社の方々は欧米の大都市への出張は多いが、低開発国への単身赴任など極めて少ない。スーパーと呼ばれる大手のゼネコンでも、給与レベルはテレビ局や、銀行などの金融機関よりははるかに少ない。◆「だから談合もしかたないでしょ」、と言いたいのではない。「とんでもない悪いことをして『巨額の利益』を上げている」と非難するのなら、その『巨額の利益』がどこに行ったのかも報じるべきだろう。私にはテレビ会社や銀行や損保会社や証券会社ビール会社の方が「巨額の利益」を上げているように見える。
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