◎2017年12月31日 ---- ボス ◎
- 終夢
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初夢っていうのはいつ見る夢のことなのか定かでない。除夜の夢のことだという人もいるし元日の夜の夢だという人もいる。いやいや書初めや初売りと同じで二日の夜に見るのが初夢だという人もいる。よく分からない。◆初夢の反対はなんと言うのだろう。初夢が定かでないのでこちらはなおさら定かではない。まあいい、終夢としよう。12月30日の夜に見る夢を終夢としよう。◆昨夜、素晴らしい終夢を見た。12月30日の夜、というよりは大みそかの朝に見た。私の人生に最も大きな影響を与えた一人で私の初恋の女性、松本悦子さんが久しぶりに夢に出て来てくれたのだ。◆松本悦子さんを初めて見たのは中学2年生になったばかりの頃。佐伯市立鶴谷中学校の一学年下に入ってきた彼女に一目惚れした。こんなにも女性のことを好きになるものなのか、と驚き苦しんだ。大人の恋の歌が理解できるようになった。◆彼女は、外見が美しすぎて近寄りがたい感じだった。飛びぬけて美しいのに飛びぬけてモテるわけではなかった。おそらく同級生にとっては高嶺の花であり恋の対象にはならなかったのだろう。怖いもの知らずであり同級生よりは大人であった私は高嶺の花に惚れてしまった。惚れると同時に劣等感に襲われた。「もっとかっこよく生まれてたら」「もっとお金持ちに生まれてたら」そんなことばかり思っていた。彼女の前では無理をしていた。背伸びしていた。恋は実らなかった。◆実りはしない恋だったがそれ以来ずっと、私はマツモトエツコさんを意識しながら生きてきた。今、どこかで偶然に出会ったときに自信を持った生き方をしているといえるだろうか。そんなことをいつも考えていた。彼女は定期的に、一年に一度くらいの割で私の夢に登場してくれた。彼女の夢を見るとそれだけでその日は幸せだった。◆およそ女性には分からないだろう、純情な、ロマンチックな男の感情だ。◆今はニューヨークに暮らしているようだ、と噂に聞いた。幸せなのだろう。◆素敵な、ステキな終夢で今年も平和のうちに暮れていきます。
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