2018年03月19日 ---- ボス

間違った努力

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2か月ほど前、会社の近所にひっそりと小さなラーメン屋がオープンした。看板に「本格博多ラーメン」と書いてある。博多ラーメン大好きな私はその看板が気になった。どこだろう?その店は1階なのだが入り口が分かりにくかった。小さなドアを開けて入ってみた。10人程度で一杯になるような店に客は私だけだった。主人と店員の女性スタッフはにこやかに感じよく応対してくれた。私は「博多ラーメン、カタ麺」を頼んだ。出てきたラーメンはとても美味かった。この店はじきに「行列ができるラーメン店」になるのだろうな、と思った。◆2週間経って、またそのラーメン屋に入ってみた。客は私の他には一人。「黒豚ラーメン、バリカタ」を頼んだ。これまた大変美味い。私は部下や友人に「美味い博多ラーメン屋ができたよ」と紹介した。その後も2週間に一度の割でそのラーメン屋に行っているがいつも客は一人か二人。・・・このままでは潰れてしまう。せっかく会社近所にこんな美味いラーメン屋ができたのに閉店されたら残念だ。◆昨日、1週間ぶりに行ってみた。相変わらず客はいない。メニューを見て驚いた。それまでなかった「辛豚ラーメン」というのがあった。そこには「本日より!」と書いてあった。頼んでみた。私の好きな味ではなかった。私は少し暗くなった。寂しくなった。「マーケティングを誰かが教えてあげなくちゃ!」・・ そして思った。「うちの会社の連中とこのラーメン屋の若い店主は同じ間違った努力をしている!」◆「客が来ない」「売り上げが上がらない」理由は決して「不味いから」でも「メニューが少ないから」でもない。「ここに美味しいラーメン屋がありますよ」ということをみんなが知らないからなのである。◆あの感じの良い店主のお兄さんに教えてあげたい。いまあなたが取り組むべきことは新メニューを作ることじゃないよ、「ここにとても美味しい博多ラーメン屋ができましたよ。一度食べてみてください」と伝えること。新橋のサラリーマンに一度食べてもらうことですよ。◆まじめな連中が、焦りから間違った方向の努力をする。そして「オレはこんなに頑張っているのに、運が悪い!」と嘆く。◆客観的に俯瞰的に物事を観ることができなくなると何事も失敗する。

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2024年04月16日 ボスの
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  • 午前来期事業計画
  • 午後空飛ぶクルマ関係者来訪 接客
  • 夕方銀座「ペントハウス」にて会食
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