2018年04月09日 ---- ボス

燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや

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「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」・・ツバメやスズメにどうして鳳(おおとり)の考えが分かるだろうか? いや、分かるわけもない。「えんじゃく いずくんぞ こうこくの こころざしを しらんや」と読む。自分を「鴻鵠」に例え、自分を理解してくれない人たちを「ツバメやスズメ」に例えるのは今で言う「上から目線」。今この中国の故事成語を使うと「あいつ上から目線で生意気」などと言われるのだろう。だが、高校の国語の授業でこの言葉を習った頃、私はこの言葉が大好きだった。友人たちに向かって冗談でよくこの言葉を使っていた。残念ながら今の若い人はほとんどこの言葉を知らない。◆ところで今私はヘリコプター操縦士の訓練場所を国内に造ろうと一所懸命に頑張っている。これから熟練操縦士の大量リタイアが始まる。どんどん新米パイロットに替わっていく。言いたくないが、想像したくないが、このままでは間違いなくヘリコプター事故が増える。それも山の中での事故ではなく都会での大事故が増える。そうならないためには十分な訓練をするしかない。十分な訓練さえすれば事故は増えないのだ。しかし我が国には十分な訓練場所がない。だから私はリスクを負ってまで、身を粉にして、国内に操縦士訓練場所の設営を目指している。◆ところが「あなたの命を守るためですよ」「業界を守るためですよ」といくら説明しても全く理解を示さない者が多い。面白いのは現役を退いた元パイロットは「キノシタさん、素晴らしいことだ。頑張ってください」と応援くださるのに、現役の運航会社やドクターヘリに乗る機会の多い方々がなかなか理解を示さない。◆「私は事故には遭いません」「事故を起こすのはよその会社です」「運航会社は大変ですね」・・そんなことばかり言っている。私が「あなたのことなのですよ」と説明しても分からない。◆悔しい事ばかり続く。なぜ日本の医療のそして日本の航空の将来のために私はこんなに頑張っているのに、なぜあなたたちは関心を示さない?自分の目先の利益しか考えない?悔しい。◆「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」とつぶやきながら毎日自分を慰めている。


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