2018年06月19日 ---- ボス

常識・非常識

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Yさんは当社に出入りする業者。私に会うたびに「社長、今度ちょっと一杯付き合ってくださいよ。新橋のその辺の安い店でいいじゃないですか」と誘ってくる。私はその都度「そうですね、今度ね」とかわしていたのだが、何度も「今度ね」と先延ばしにするのも失礼かと思い「じゃあ再来週の月曜日に・・」と応えていた。その「再来週の月曜日」が昨日であった。◆夕方5時半に当社へ来たYさんは開口一番「今日はお付き合いいただけるとのこと、ありがとうございます。店は予約しています」とニコニコしながら言った。小一時間ほど雑談をした後、当社の若手社員T君も一緒に、3人でYさんの予約した店に向かった。そこは会社帰りのサラリーマンでいっぱいの店だった。我々の席の隣のテーブルではタバコをふかす若者。彼の煙が漂ってくる。「私も若いころはよくこんな店で飲んでいたな」懐かしくなった。私より3歳年長のYさんがその店の客の中では突出していた。続いて私。周りの若者の視線が気になりつつも「Yさんの精いっぱいのもてなしだ。楽しく飲もう」と思いビールを、続いてホッピーを飲んだ。料理はYさんに任せても飲み物であまり負担をかけては失礼と思った。◆Yさんが「とりあえず」で頼んだ3品。私とT君はすぐに食べ終えたがYさんは飲んでしゃべるばかり。隣のテーブルでは鍋が始まり、反対側のテーブルでは鉄板で肉を焼いている。私たちのテーブルではホッピーの瓶だけが運ばれてくる。Yさんが一人でしゃべり続ける。2時間半経った。結局「とりあえず」の3品で終わった。◆私は一足先に店を出てYさんを待とうと思った。待つもなにもYさんは私のすぐ後をついて出てきた。誰も勘定をしていない。「ちょっとお客さん!」店の者が慌てて出てくる。するとYさんは私の方を見て「社長、ごちそうさまです。ありがとうございます」だって。「なんだ、そんなことか」・・私はYさんの非常識に腹が立つよりも「オレが払うのだったら、遠慮せずに鍋でも焼肉でも注文すればよかった」と思った。◆どう考えても、私たちの考えでは「非常識」なYさんの振る舞い。なぜかYさんへは腹が立たない。「住む世界が違えば常識も異なってくる」・・私は静かに悟った。◆当社にはまさかこんな営業をする者はいないだろうな。少し心配になった。

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  • 午前虎の門病院屋上ヘリポート見学
  • 午後事業計画見直し
  • 夕方麻布十番某所で会食
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