2018年07月02日 ---- ボス

家族のある幸せ

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大学の同級生、O君から今年は年賀状が届かなかった。「こりゃ、Oも虚礼廃止、今年から年賀状をやめるんだな。オレもそうしようかな」などと思っていた。◆2月も下旬になった頃、そのO君から「寒中見舞い」が届いた。「病気療養していました家内が昨年10月に永眠しました。寂しくなりました」と書いてあった。私は、奥様とは35年前のO君の結婚式でお会いしたきりだった。奥様が病気療養していたとは知らなかった。子供ができなかったO君は一人になってさぞ落ち込んでいることだろう。心配だが軽々に励ましの声もかけられない。◆奥様を亡くして半年が経った。そろそろ言葉をかけてもいいかな、そう思って先月、O君にメールした。メールで飲み会に誘った。するとO君にしては珍しく、少し長い返信があった。奥様を亡くして寂しくなったこと、数年前に花が好きな奥様のために庭付きの一軒家を買ったこと、奥様は庭にきれいな薔薇を毎年咲かせていたこと、今年は自分でやっているがなかなか薔薇をキレイに咲かせるのは難しいこと、今は愛犬が一匹残っており彼と仲良く過ごしていること、その愛犬の世話があるので飲み会にも出られない・・・・そんなことが書かれてあった。そして「木下、ありがとう」と結んであった◆昨日の昼、川崎市郊外のO君の自宅を訪ねた。最寄りの駅までO君が迎えに来てくれた。O君は笑顔だった。「キノシタ、アリガト」と悲しそうな笑顔で迎えてくれた。◆奥様の仏前に手を合わせ、今は何も咲いていない庭の緑を眺め、O君の愛犬ディーンと少し遊んだ。奥様が元気であればきっときれいに片付いていたはずの家は玄関も居間も、そして庭も散らかっていた。O君が笑顔なのだから、こちらも悲しい顔はできない。近所の食堂に行って、私だけビールを飲んだ。◆O君は同情されることは嫌うだろう。O君の笑顔から悲しみが消えるまではもうしばらく時間が必要だろう。次回会う頃には、少し元気になってくれていることを願う。◆電車で自宅に戻った。元気な家内と息子、娘が「おかえり、父さん、どこ行ってたの?」と憂いのまったくない笑顔で迎えてくれた。デキの悪い家族だが、改めて家族が健康で過ごせている現状に感謝。

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2024年04月24日 ボスの
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