2018年11月28日 ---- ボス

軽々に使ってはならない「大丈夫か?」

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30歳を前に大企業を退職した。退職を考え始めたのは27歳の時、会社に退職願を出したのは28歳のときだった。「辞めよう」と考えてから実際に辞めるまでにはいろいろと「引き留め」があった。「バカなことはよせ」「これまで育ててくれた会社に失礼だろ」「なにが不満なんだ。隣の芝生は青く見えるけど実際はそうではないよ」などなど先輩や上司や友人が私に思いとどまらせようと言ってきた。「大丈夫なん?モトミなら大企業じゃなくてもなんとかやっていけるやろうけどやっぱり心配やなあ」と故郷の友人は言ってくれた。◆そんな厳しく優しい多くの声に従わずに私は30歳で大企業を辞めた。世の中はバブル景気に浮かれていたが私は必死に勉強をした。不安だった。じきにバブルが崩壊した。さらに不安は増した。それでも「だからあのとき『辞めるな』と注意したのに・・」などと言う者はいなかった。友や先輩は優しかった。私を引き留めた前の会社の上司や先輩は「頑張ってるか?」と声をかけてくれた。「飲み会には来いよ」と誘ってくれた。携帯電話もない時代、自宅や職場へ連絡をくれた。暖かい元上司や先輩や友人に支えられていた。◆親や親せきや元上司もが「頑張れよ」「なにか手伝えることがあったら・・」と言ってくれる。空元気(からげんき)を出してはいたがいつもいつも不安だった。子供ができ、バブルは崩壊し、「さて、オレはこの子たちを養っていけるのだろうか?」と心配だった。その頃一番イヤだったのが何人かの友人から聞かれた「大丈夫か?」という言葉。彼らは決して意地悪で聞いてくるのではなかったのだが「大丈夫か?」と聞かれてどう答えればいい?◆「大丈夫だよ」と答えるほかないだろう。「大丈夫じゃない。助けてくれ」と言ったら助けてくれるわけでもない。助けてくれるような方は決して「大丈夫か?」などと聞いてこない。◆私は決して人に対して、重要なことでは「大丈夫か?」とは聞かない。入院患者に対して「大丈夫?」などと聞いている見舞い人を見るとなんとデリカシーのない奴だ、と腹が立ってくる。

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2024年12月20日 ボスの
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  • 午前虎の門病院屋上ヘリポート見学
  • 午後事業計画見直し
  • 夕方麻布十番某所で会食
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