2018年07月30日 ---- ボス

甲子園とサッカーワールドカップ

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今年も夏の甲子園大会が近づいた。列島各地の予選大会で熱戦が繰り広げられ、それを勝ち抜き子園出場を決めた高校が話題になっている。残念ながら我が母校、佐伯鶴城高校は大分県予選ベスト4まで進んだが準決勝で惜しくも敗れた。◆この時期になると私は毎年26年前(1992年)の甲子園を思い出す。この大会2回戦の明徳義塾高校(高知)対星稜高校(石川)戦において、明徳義塾は星稜の4番打者・松井秀樹を5打席連続して敬遠した。松井は一度もバットを振ることなく星稜高校は敗退した。敬遠を繰り返されてもなお松井は常にバッターボックスで「好球が来たら打つ」という構えで立ち、四球になると静かにバットを置き、相手投手を睨みつけることもなくまっすぐ1塁ベースへ向かった。松井の態度には全国の高校野球ファンが拍手を送った。◆その試合の後、日本中のオヤジたちの話題はその5連続敬遠にあった。「あれはけしからん」「明徳の、敬遠を命じられた投手も可哀そう」「勝つためには何をしてもいいのか」「スポーツマンシップを失った」「勝利至上主義はいらない」「高校生らしくない」などなど、明徳義塾の監督へのバッシングはひどかった。例によってマスコミは「賛否両論ある」と言いながらもほとんど「賛」は報道せず「否」ばかり報道していた。若く、少し天邪鬼な私は「四球だろうが盗塁だろうが正しい野球のルール。戦術として敬遠もある。もちろん僕も勝負をして欲しかったとは思うが監督を非難するべきじゃない」と主張していた。私のその意見を聞いて「キノシタさん、私はあなたを見損ないました」とある大商社の役員に叱られた。◆26年後、今年のサッカーワールドカップ。日本チームは負けているにも関わらず攻撃しなかった。同じ時間帯にやっているセネガル・コロンビア戦でセネガルが勝てば日本は決勝トーナメントに進出できるから、自分がリスクを冒して勝ちに行くことをやめ、セネガルがコロンビアに勝つ方に賭けたのだった。結果的にセネガルがコロンビアに勝ち、日本は決勝トーナメントに進出できた。マスコミは「賛否両論あるが・・」と言いながらも日本人で「否」とする人を一人も紹介しなかった。私の回りもみな「あれで良かったのだ」「西野監督すばらしい」と言っている。もう若くはないが未だに天邪鬼である私は「負けてるゲーム。このまま負けてもかまわない、と言うのはルール以前の問題。やはり試合には『勝つ』ということを目指さなければならないんでは?」と思う。私のその意見を聞いてある人材派遣会社の社長が「キノシタさん、あなた分かってないねえ!社長がそんなキレイごと言っててオタクの会社、大丈夫なの?」と言ってきた。◆26年前の高校野球、今年のワールドカップ予選。並べて比較する記事を見たことない。誰か取り上げないかなあ。

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