◎2019年09月18日 ---- ボス ◎
- コピーライターという仕事
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大学生の頃「噴水の設計士」になりたいと思っていた。その前には「南米で大きなトンネルを掘る土木屋」に憧れていた。それよりさらにずっと前、まだ「コピーライター」という言葉を知らない頃「宣伝の文句を考える仕事」があると知って「楽しそうな仕事だなあ」と思いあこがれを覚えた記憶がある。私はまだ小学生だった。◆姉がスケッチブックを持って来て「広告の文句になるようなかっこいい言葉を探そうよ」と言ってきた。何かを言ってはその言葉を姉が乱雑に記入していく。「うん、いいねえ」とか「それは、どうかな?」などと言いながら。そして私が「ドロンとドヌーブ」を言ったところ姉がすごく誉めてくれた。「あんた、才能あるわ! すごいね“ドロンとドヌーブ” うん、これ、いいわあ」◆当時「スクリーン」という映画雑誌に最も多く取り上げられていた美男美女の代表がアラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴだった。当時は「ドヌーヴ」という表記がなく「ドヌーブ」になっていた。私は何気なくその二人の名前を挙げたのだった。姉から「すごくいい。才能ある」と言われて私は有頂天になった。◆時が経ち、ヘリポートを語る「土木屋のはしくれ」「経営者のはしくれ」になった。会社のPRのため「マーケティング」や「コピー」に関する本をいつも読んでいる。「コピー」の才能ある方が羨ましい。『解決は1行』(細田高広)を読んでいて、小学生のころ姉とやっていたあの遊びはコピーライターの真似事だったんだなあ、と思い出した。
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