◎2019年10月15日 ---- ボス ◎
- ホイスト救助の必要性・・・判断は慎重に!
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私は「ヘリ屋」であり「土木屋」でもある。今回の台風19号の被害とその救助活動の様子をテレビで観ながら「ヘリ屋」兼「土木屋」として疑問に思うことがあった。現地で懸命に救助活動をされている自衛隊や消防ヘリ、警察ヘリの方々に失礼にならなければいいがと思いつつも私の考えを申し上げる◆台風一過、青い空の下でヘリによる救助活動の様子がテレビ画面に映し出されるのを観て「危ないな。気を付けてよ。無理しなさんな」と私は小さく声を出した。◆1階が水に浸かり2階のベランダから救助を求める人たちがホイスト降下(ワイヤーで吊り下げ降下)した救助員に抱きかかえられて上昇し、ヘリ内に収容されている。たしかに洪水はなかなか引かないが、それでも徐々に水位は下がっている。水圧で家が押し流されそうなわけでもなく、急いでヘリで救助しなければならない状況には見えなかった。ここはボート部隊にまかせるべき地域で、ヘリがホバリングしホイスト救助活動に励む場所だとは思えなかった。二次災害の心配がある。◆案の定、福島県いわき市で、東京消防庁の救助隊員がヘリコプターで救助しようとした女性を誤って落下させてしまった。亡くなった方やそのご家族にとっても、救助しようとして失敗した隊員にとっても、悔やんでも悔やみきれない。◆救急医療ではトリアージが大切。危急を要する者とそれほどではない患者を最初に見分け区分する。ヘリコプター救助活動においてもトリアージをしっかりとしなければまた不幸な事故が起きてしまう。
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