2019年11月08日 ---- ボス

『罪の轍』(奥田英朗)

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久しぶりに、本当に久しぶりに面白い本を読んだ。『罪の轍』(奥田英朗)。◆週に2回は本屋に行く。文芸書コーナーで平積みになっている本の腰巻(帯)に書かれている惹句はすべて読む。嘘ばっかり。「ラスト1ページが暴き出すもう一つの“真相”をあなたは見抜けるか?」とか「驚愕のラスト&圧倒的リーダビリティの極上ミステリー!」だのに騙される。「カネ返せ!」と言いたい本はまだマシ。「貴重な時間を返せっ!」と言いたくなる本が多かった。◆今年も面白くない本に多くの時間を費やした。総じて日本の作家の筆力は落ちている。かつて筆力のあった作家の多くはピークを越えた。宮本輝も五木寛之も宮部みゆきもノーベル賞候補の村上春樹も、昔のように「読ませる」文章が書けなくなっった。一方、それら大御所に代わる若手作家が出て来ない。そんな中で奥田英朗のこの作品はピーク時の高村薫のような力強さを持って読者を引き込む。時代背景が1960年代なので実体験としてその頃を知っている者にとってはさらに面白さが増す。お勧め。◆私が今年読んだ本のBEST3は『罪の轍(奥田英朗』『てのひらの音符(藤岡陽子)』それから『イノセントデイズ(早見和真)』

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2024年04月24日 ボスの
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