2019年12月16日 ---- ボス

罪と罰(その2)

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長男を刺殺したとして殺人罪に問われた元農林水産事務次官熊沢英昭被告の裁判員裁判で、東京地裁は懲役6年(求刑懲役8年)の判決を言い渡した。◆先週もこの欄で私は求刑の「懲役8年は重過ぎる」と書いた。判決は懲役6年だが執行猶予はつかなかった。なお「重過ぎる」と私は思う。彼は十分に反省しているし、社会的制裁も受けた。彼を収監しなくても彼が同じような罪を繰り返すことはない。◆その一方で「こいつ、懲役刑を終えて出て来てもきっとまた犯罪を犯すだろうな」というワルでも刑期満了になれば平気で野放しにする。「この人は絶対に悪いことは繰り返さない」という人でも懲役6年の実刑となる。◆罪と罰のバランスの悪さを感じる。

検察側は公判で、長男と同居を再開した5月に暴行を受け、殺害を考えるようになったと指摘し「強い殺意に基づいた悪質な犯行だ」とした。

弁護側は「殺すぞと言われ、自らの命を守るためとっさに刺した」と計画性を否定。発達障害があった長男を長年、献身的に支えてきたことなどを挙げ、執行猶予付きの判決を求めた。

熊沢被告は起訴内容を認めていた。

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