2021年01月26日 ---- ボス

コロナ感染者の推移に関して

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今日は少しまじめな「数学」の話。

一人の感染者が何人に移すのかを表す数値を「実行再生産数(R値)」という。例えばR値が2であれば、そして感染者が他人に移すまでの平均時間(T値)が24時間だとすると、一人の感染者が翌日には新たに2人に、翌々日にはさらに4人に感染することになる。10日後には約1000人が、20日後には100万人を超える人が新たに感染することになる。高校の数学で学ぶ「2の10乗=1024(≒1000)」だ。

今回のコロナ感染、実際のR値は0.8~1.2くらいの間を増減しているようだ。また感染者が他人に移すまでの平均時間(T値)は5日間くらいだろう。

仮にR値=1.12、T値5日としたら約1カ月で感染者数は2倍になる。(1.12の6乗=1.97(≒2)  2カ月で4倍、10カ月後には1000倍になるわけだ。

逆にR値=0.9、T値5日なら1か月で半減する。(0.9の6乗=0.53(≒0.5))2カ月で1/4になり10か月後は1/1000になる。

「R値=1.12なら10か月後に1000倍」、「R値=0.9なら同じく10か月後に1/1000」と文字で表すとそうなるのだがグラフで表すと意味合いが大きく違うことに気付くはずだ。指数関数的に増える場合は加速度的に伸びる。グラフはカタカナの「ノ」の字のように曲がる。最初は緩やかで時間が経つほど傾きは大きくなる。ところが指数関数的に減じる場合は最初が一番大きく減少し徐々に緩やかになる。カタカナの「ノ」の字を時計回りに90℃回らせた形になる。なかなかゼロにならない。(数学では「漸近線」という。)一度パンデミックが起これば終結させることが難しいのはこのためだ。

この文章で「仮に」として「R値1.12、T値5日」と「R値0.9、T値5日」の二つで説明したが、わが国のこれまでの感染者数の推移をみると、実際この程度であろうと推測される。人々が少し油断するとR値は1.12程度になり、緊急事態宣言下では0.9くらいになる。

10人の感染者が11人に移せば10か月後には1万人が感染し、10人が9人にしか移さない状況であれば1万人の感染者が10か月後には10人に減るのである。「10人が11人に移す」のと「10人が9人に移す」ということは天と地の違いがある。なんとか「10人が9人以下へ」なるように努力を続けなければならない。

緊急事態宣言下でR値=0.9、緊急事態宣言を解けばR値=1.1 くらいという私の予想はおそらくなかなかいい線いっているだろう。

さて近々、わが国でもワクチン接種が始まる。これまでの説明からR値1.12からR値を0.9に下げれば10か月後には感染者は1/1000になる。ということは国民の2割(約2千万人)が摂取すれば、現状の(つまり緊急事態戦下ではない)生活を続けてもR値=0.9に下がることになる。

R値は1よりも大きいか小さいかが最も大きな境目。少しでも早く国民の2割にワクチンを接種できれば確実にヤマは越すと私は見ている。どうだろう?

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