2021年12月27日 ---- ボス

進学の不思議

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我が母校、九州大学の土木工学科から会報が届いた。令和2年度の卒業生の進路に関しての報告があった。それによると学部卒業生(4年生)全83人のうち57人が修士課程へ進学したそうだ。私は首をかしげる。「そんなにお勉強が好きなの?」「なんのために修士課程へ進むの?」・・不思議でならない。意地悪な私は「彼らの多くはモラトリアムで進学するのだろうな」と思ってしまう◆「大学の勉強なんて、何にも役に立たない」と言う人も多い。大変失礼ながらおそらく文学部なんてそうかもしれないな、と思う。土木工学のような理系の学部では大学で学んだ知識が役に立つことが多い。私は留年し、さらにビリで学部を卒業したのだがそれでも社会人になり「大学で学んだ知識」が役立つことが多かった。ただ冷静に考えて、それら「社会人になってから役立った知識」を習得するのに4年間(私の場合は5年間)はあまりにも時間をかけ過ぎ。「社会人になってから役立つ土木工学の知識」だけなら半年もあれば習得できる。あとの3年半(私の場合は4年半)は不必要な知識を習得することとモラトリアムに費やされた。◆もちろん大学生活においては「学業」以外にも得るものが多い。だから学士になるのに4年間も要らない、などと言うつもりはない。だが、4年間で十分に「社会人になって不必要な知識」までも習得したうえで、さらに2年間も学校に通う意味が分からない。将来、研究者になりたいと思っている者は大学院に進んで勉強を続ける意味はあるだろう。だがそれ以外の学生が何を求めて修士課程へ進むのかが理解できない。「みんなが進学するのだから僕も進学したいなあ」・・二十歳を過ぎたいい大人がそんなことを考えているようで情けない。◆恵まれ過ぎた国家、日本の凋落はこの辺にもあるのではないだろうか?本当に勉強したい、しなければならないところに多くの国家予算を回し、モラトリアムで進学する者への予算は削減してもいいんじゃないの? そんなことを言うと「キノシタ君、無責任なことを言うのはやめてよね」と同級生から電話がかかってきそうでもある。

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2024年04月26日 ボスの
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