◎2024年02月16日 ---- ボス ◎
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自室(社長室)で昼食にカップ蕎麦を食べたあとバレンタインデーでもらった生チョコレートを食べた。その後、トイレ室の手洗い場に歯を磨きに入った。歯を磨くのはいつもと同じだが今日はチョコレートが舌上と喉奥に残っていた。いつもの3倍くらいの時間がかかった。喉奥のチョコレートをキレイにするために「あー」とか「ぐー」とかの声が出る。「上品ではないな。誰も聞いてないだろうな」と思ってふと振り返った。3つある個室の2つが埋まっていた。「うっ、まずい。さっきの『あー』とか『ぐー』とかの声を聞かれていたんだ」と恥ずかしくなった。タイミング悪く尿意を催した。いや正確に言うと尿意を我慢して歯を磨いていたのだ。◆歯を磨き終わって、それまで我慢していた尿意を解放するために男性用便器に向かった。気持ち良く体内の不純物を排泄しながら気づいた。「こいつら全く存在を殺そうとしている。じっーとしている」。個室に入っている2人が全く音をたてないのである。◆実は私も彼らの気持ちが分かる。個室から出るところは誰にも見られたくない。これは女性には理解できない心境かもしれない。女性は個室で何しているかわからない。小なのか大なのかそれ以外か。ところが男が個室に入るのは基本、大の時しか無い。個室から出てくると「あっ、ウン〇していたんだね」と思われる。◆彼らは私にそう思われたくないから私がトイレ室から出るのをじっと待っているのだろう。息を潜める彼らに申し訳ない気持ちになって私は大急ぎで(気合を入れて)小用を済ませてその場所から立ち去った。個室の2人には「気を使わせてごめんな」と言いたかった。
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