◎2012年02月20日 ---- ボス ◎
- 綾辻行人
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綾辻行人という推理作家がいる。『〇〇館の殺人』というシリーズでなじみの、いわゆる本格派推理小説の大家になった。彼の最新作『仮面館の殺人』をやっと読み上げた。通常なら2.3日で読み上げるこの『館』シリーズ、『仮面館』は10日間ほどかかった。面白くないのだ。「楽しくて読んだ」というよりは、「ここまで読んだのだから途中で止められない」という思いから「無理して頑張った」という感じ。さて、綾辻が落ちているのか、僕の体力・気力あるいは能力がくたびれてきているのか・・?
本格推理では『不連続殺人事件(坂口安吾)』や『占星術殺人事件(島田荘司)』が面白かった。綾辻では『霧超邸殺人事件』が最高。・・・・・・・・・・ 私の体力・気力が衰えてきていることも確かだが今回の『仮面館』はあまりにも技巧に走りすぎた。懲りすぎた。シンプルさに欠けた。先日この欄で書いたが「写実画も写真と同じになっては魅力がない」が本格推理もギミックに走り過ぎては面白味が薄れる。おそらく私は今後もう綾辻を読むことはないだろう。 - コメント (0)