◎2012年09月12日 ---- ボス ◎
- 情けない!
-
いつからこのような低俗な雑誌に成り下がったのだろう。『週刊文春』と『週刊新潮』。以前は両誌とも芯が一本通った、天下国家を論じることのできる雑誌であった。『朝日ジャーナル』を中心とするリベラル派の雑誌が訳の分からぬ進歩的文化人やらの発言を持ち上げるのに対し『文春』『新潮』は保守派の雑誌としてどっしりと構え対抗してきた。キレはないが重さがあった。学生から社会人なり立ての頃、私はこれらの雑誌間の論争を楽しみながら読み勉強した。これらの雑誌は骨があり芯があり主張がありそしてプライドがあった。◆いつからだろう。記者は誇りを捨てたのか?売れさえすればいいのか?恥ずかしくないのか?こんなのでは「新聞記者になれなかった落ちこぼれたちが書くゴシップ雑誌」と言われてもしょうがない!恥ずかしくないのか!◆本日発売の両誌。新聞広告では「文春」は東国原元宮崎県知事の、「新潮」は先日自殺した松下金融担当大臣の、それぞれ女性スキャンダルを大きく報じている。◆気骨のない、プライドのない低俗な記者が恐らく多くの予算と時間をかけて収集した記事だろう。低俗な読者の、下半身好奇心をあおるだけでは「書いてる奴らの方がよっぽど低俗だ!」と言われる。それが怖いからか必ず「このような道徳観のない者に国家を任せて大丈夫か?」とか「我々の税金が彼らのデートの交通費に使われた。とんでもない。」などと正義者ぶる。まるで「文春・新潮の記者はみんな品行方正です。」と言わんばかり。バカか!◆立派な人で、回りから「政治家になって」とけしかけられて、「私は叩けばホコリが出る身。週刊誌が怖くて政治家になどなれない」と冗談で返した人を何人か知っている。くだらない週刊誌が日本の政治家を小粒にしたのかもしれない。三木武吉や田中角栄が良かったとは言わないが「文春」「新潮」がまだ品格を持っていたころだからスケールの大きな政治家が生まれていた。今は「草食系」か「こずるいヤツ」しか政治家になれなくなった。◆しかしもし「新潮」の報じる女性スキャンダルがもとで「金融担当大臣」の重責を投げ、自分勝手に死を選んだのであれば鹿児島出身のこの大臣も十分に情けない。◆私は「セクシージョーク」などを書き、夜な夜な銀座に繰り出すが、つまり決して上品な男ではないのだが、絶対に下ネタを報じる「文春」や「新潮」は買わないことにしている。ここまで下品になりたくないから。
- コメント (0)