◎2012年11月27日 ---- ボス ◎
- 恥ずかしい?
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娘がまだ幼い頃のこと。私と娘はJRの駅の階段をホームへ向かって下りようとしていた。階段の下の方で若い女性が大きな荷物を運ぶのに苦労していた。階段を上る人々は一瞥をくれるだけで彼女を追い越していく。誰も手伝おうとしない。彼女は一段一段、両手でその荷物を引っ張り上げるようにして上っていた。私は娘を階段の端に待たせ、急ぎ足で階段を降り、女性の重たい荷物を持って上まで運んであげた。女性からは何度も頭を下げられ感謝の言葉をもらった。当然のことをしただけだが自分も気分が良かった。ところが娘が不機嫌。はじめは待たされたことを怒っているのかと思ったが違った。彼女は私の行動を恥ずかしいと思ったようだった。目立つ行動をする父、人と違うことをする父を幼い少女は嫌がった。私は親切の大切さを昏々と語ったが娘はすぐに受け入れたようではなっかた。(助けてあげたのがお婆さんだったら受け入れてくれたかもしれない、と後から思った。)◆娘が高校生の頃、京橋の『ゼスト』に家人と3人で入った。(高校生の娘は父と二人で外出することはなくなっていた。) 『ゼスト』は私のお気に入りの店でハンバーガーがお勧めだった。娘はマクドナルド以外でハンバーガーを食べるのは初めてだった。運ばれてきたハンバーガーを娘が食べたが旨そうな顔をしない。私も食べてみたら明らかにいつもの味と異なっていた。ハンバーグが焦げている。真っ黒。私は店員を呼び、一口食べたハンバーガーを見せ、苦情を言った。店長が来て丁重に詫びてくれた。すぐにまた3つハンバーガーが運ばれてきた。いつもと同じ大変美味いものだった。娘に「美味しいだろ?」と聞いたが「うん」とだけ答えた娘はいかにも不機嫌そう。娘は店員に苦情を言う父親が恥ずかしかったようだった。「注意をしてあげた方がお店もお客様を失わずに済むし、きっともっと美味しいものを出すようになるんだよ。」と説明しても娘は釈然としなかったよう。◆うちの娘だけではないだろう。恐らく多くの方々が、回りの人と違う目立つ行動を嫌がっている。それが親切であろうが、店への励ましであろうが。
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