◎2012年10月19日 ---- ボス ◎
- エマニエル夫人
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エマニエル夫人のシルビア・クリステルさんが亡くなった。60歳だった。私より5歳年上。◆「エマニエル夫人」を初めて知ったのは深夜のテレビであった。おそらくまだ日本で封切られる前だろう、11PMで大橋巨泉さんが紹介していた。私は母親が眠ったのを確認し、テレビの音を極力小さくし、毎晩のように11PMをそっと見ていた。大人の世界をのぞいていた。◆数か月遅れて、地方の田舎都市でも上映された。夜、友人と見に行った。大した小遣いももらっていなかった頃、どうやって入場料を工面したのか覚えていない。青春の思い出の一つ。なにか後ろめたい気持ちを持って入った映画館。大人の世界。・・・・・だが残念なことに(?)当時、シルビア・クリステルは私のタイプではなかった。田舎の高校生にとって5歳年上のショートヘアの外国人の美しさは分からなかった。もちろん美しくエロチックな映像には興奮したことだろうが覚えているのはそのことよりもむしろあの甘美で切ないテーマ曲に感動したこと。◆エマニエル夫人シリーズのDVDを持っている。1年ほど前だろうか、自宅で観た。ビックリした。シルビア・クリステルがものすごくきれい。かつて田舎の高校生が見た5歳年長のクリステルと都会のオジサンが見る若いクリステルは全く別人のようであった。それにしてもこの映画のテーマ曲の美しさもたまらない。私の好きな映画音楽ベスト10に入る。あまり知られていないのが「エマニエル夫人」と「続エマニエル夫人」のテーマ曲の違い。フランシス・レイ作曲の「続エマニエル」もまた甘美で上品で切ない。今夜は銀座のジャズバーで「エマニエル」をリクエストしてみよう。
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