◎2013年02月14日 ---- ボス ◎
- 母親
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母は優しい。私の母は、私が高校を卒業してからずっと、もう40年近く一人で暮らしている。親不孝な私は、母のことが気になりながらも自分の好きなように生きてきた。母は、私が郷里の公務員になることを願ったが私は東京でやくざな生活を送っている。感謝している。申し訳なく思う。◆5年くらい前からだろうか、母の記憶力が極端に落ちてきた。「ボケ」の兆候。気位の高い母は決して「ボケ」とは認めず、誰にでもおこる単なる加齢による記憶力の低下だと言って病院に行くことも、ヘルパーに頼ることも拒み続けている。◆九州に出張するたびに母に電話を入れる。「今、◯◯に来てるんよ。でも忙しくて帰るだけの時間がないんよ。」と。母は私には特に優しい。「うん、元気ならいいよ。無理しなさんな。」と必ず言ってくれる。電話の声は若い。長く話さなければ記憶障害も気付かない。先ほども鹿児島から電話した。「うん、元気ならいいわあ。無理しなさんな。」電話の母は今日もとても優しかった。◆涙が頬を伝わった。
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