2013年10月22日 ---- ボス

無理な職業

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二か月ほど前から週一回、歯医者に通っている。少しでも怪しいところを総点検中。◆腹が痛いと「病院に行く」という。しかし歯が痛いときに「歯科医院に行く」と言う人はめったにいない。みんな「歯医者に行く」という。おもしろい。歯医者さんは少しかわいそう。◆キーンという高い音でドリルが奥歯を削る。事前に十分に麻酔を打っているがそれでも怖い。顔が引きつる。「痛かったですか?」という歯科医の声に「いえ、怖いだけです。」と答えた。歯科医は再びドリルで奥歯を削りながら「もっと怖いものがありますよ。オンナですよ。オンナは怖いよ。」と僕にだけ聞こえる声で耳元でささやく。すぐ隣にいる女性の衛生士には聞こえない。おそらく本当に女性問題で大変な苦労をされたのだろう。彼の名誉のため、ここで歯科医院の名を明かすことはできないが私はこの歯科医が大好きだ。◆ギクッときた。ドリルの剣先が麻酔の効いていない神経を刺激した。「ウギャー」と声を出した。「あっ、ごめんなさい。ここまでは麻酔が効いてなかったね。」と歯科医。私の背中は汗でびっしょり。痛い。怖い。◆治療のあと歯科医に言った。「先生、僕は絶対スパイにはなれないね。もし歯医者の拷問にあったら国家機密であろうが1秒でなんでも話してしまいます。耐えられません」  初老の歯科医はニッと笑ってウィンクした。かっこよかった。

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2024年04月24日 ボスの
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