◎2013年10月23日 ---- ボス ◎
- 深夜の電話
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夜中11時30分、いつものように少し酔って自宅に帰りついた。シャワーを浴びてパジャマに着替えたところでマナーモードにしている携帯電話が振るえた。テレビはついていない。静かな部屋。携帯のバイブの音が響く。本を読んでいた家人がこちらを向く。私は「いまどき誰だろう?」と言いながら携帯電話の画面を見た。中学校の同級生、トッチンこと宮崎俊明クンからだ。電話に出た。電話の向こうは少し騒がしい。「トッチン?どうしたん?」。まず私が聞いた。トッチンの声は明るい。「今な、悠子のところで飲んでるんよ。悠子がな、モトミと話してえって。」大分弁で大きな声。少し酔っている感じ。悠子というのは小学校・中学校の同級生。その頃は日本人形のようなとても美しい少女だった。今も綺麗。いろいろあって今は故郷でバーをやっている。「悠子と代わるな。・・・悠子、モトミが出たぞ・・・」 すぐに懐かしい悠子ちゃんの声が聞こえてきた。悠子ちゃんも少し酔っている様子。声が大きい。「モトミ君!私を囲ってぇ!」 いきなりすごい言葉が飛んできた。「もう、やなの。疲れたよ。」 そう言う悠子ちゃんの声は暗くはない。 私はニヤッとしながらも気になって隣の家人を見た。声が漏れて聞こえているかもしれない。・・・・聞こえていた。家人は笑いをこらえきれずに吹き出してしまった。平和な深夜。故郷の友人は楽しい。悠子ちゃんの声の向こうに大声で騒いでいるトッチンの声がまだ聞こえていた。
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