2014年01月21日 ---- ボス

本屋の店員

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真山仁の新刊『グリード』の下巻を購入しようと昨夜自宅近所の本屋に行った。棚には上巻が3冊平積みされていたが下巻は見当たらない。「あの、真山仁さんの『グリード』の下巻は入ってないのですか?」と問う私に「はっ?マヤマ誰ですか?」と店員は聞き返してきた。「マヤマジンさんです。『グリード』です。」と言いながら私は棚の本を指さした。店員は「少しお待ちください」と言って上巻を持ってレジ付近のパソコンへ向かった。しばらくして戻ってきて「下巻はただ今売り切れています。お取り寄せしましょうか?」と聞いてきた。「いえ、結構です。」と断り、続けて「法月綸太郎さんの話題の新刊は何ていう題でしたっけ?どこにありますか?」と聞いた。店員は「法月綸太郎」なる名前は初めて聞いたようで「ほうずきですか?どんな字でしょうか?」と聞いてきた。丁寧に説明するとまた「しばらくお待ちください」と言ってレジの方へ向かった。戻ってくると彼女は「法月綸太郎の最新刊は『キングを探せ』ですね・・」と言った。「いえ違います。『キングを探せ』は文庫化された最新刊でしょ。それじゃなくて『このミス』の2014年版で1位になったヤツなんですけど・・・?」と言うと「このミス?」と不思議そうな顔。宝島社の「このミステリーがすごい」を知らないようだ。なんとか法月綸太郎の新刊『ノックス・マシン』を手にすることはできたが書店店員の無知に呆れた。◆一昨年の夏、銀座『教文館』での出来事を思い出した。『教文館』の店員さんは何でも知っている。大して話題にもなっていなかった原田マハ「楽園のカンヴァス」を手にしてレジに行くと顔なじみの男性店員がとても感じよく笑顔で「直木賞取れなかったんですよね、この作品。実は私はこれが本命と思ってたのですけどね。すごく面白いですよ。」と言ってくれた。たしかにとても面白かった。直木賞を受賞した辻村深月の『鍵のない夢を見る』が全く面白いと感じなかったのでこの店員のコメントをなおさらはっきりと覚えている。余裕があるなら本は銀座『教文館』で買いたい。◆自動車でも果物でもお寿司でも版画でもカメラでも、「売る側の人、お客様と接する人」は「買う側の人、お客様」よりその商品に関しては詳しくなければならない。当然だろう。だが残念ながら全く素人の販売員が多くのお店で増えている。知識も笑顔もないが「時給が安い」という理由のみで「知識と笑顔の店員」と代わろうとしている。嘆かわしいことだ。◆今日は昼休みに銀座『教文館』へ行ってみよう。『教文館』で笑顔の店員から真山仁『グリード(下巻)』を購入し「なにかお勧めの本はありませんか?」と聞いてみよう。◆それにしても悔しいのは、あの素人店員ばかり置いている本屋の名前がサービス最高の『教文館』と一文字しか違わないこと。同じような名前の書店でも○と×、大きな違いがある。

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