2014年03月03日 ---- ボス

帰国の飛行機内の思い

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久しぶりの米国出張から帰ってきた。カリフォルニアの旨い空気を吸った以外は残念ながら得ることの少ない出張であった。◆帰りのANAは読書の時間になった。面白く、納得する文章に出会った。登場人物がちょうど飛行機で帰国するところの心の様子を描いていた。◆『何百人もの人間がそれぞれの狭い空間で夜に馴染んできた頃、客室乗務員が次々と窓のスクリーンを上げていき唐突に朝の光の中に放り込まれる。・・(略)・・重力がぐんと体にかかる頃、俺はひとりでひっそり万能感に包まれている。 さて、これからどうしてやろうか。生まれ育った自分の国に降り立てば、言葉だって自由に通じるし、食い物も水も口にあう。友人も知り合いも山のようにいる。生きていくのが夢のように楽な自分の国で、何をして生きていってやろうか。今俺は飛行機の狭いシートに縛られて立ち上がることすら禁じられているが、もうすぐ解放されてどこへでも行けるし、望むことは何でも出来る。そんな風に思えなくなったらまた旅に出ればいい』◆善人ではない一人の登場人物の思いだが私には妙に通じるものがあった。

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