◎2014年03月20日 ---- ボス ◎
- 考え事
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年度末、当社はものすごく忙しい。ヘリポートの設計と施工に関する事業部の職員はこの一月間殆ど土曜も日曜もなく働いている。夜中の1時、2時に現場担当者からメールが届くこともめずらしくなくなった。本当によく頑張ってくれている。ありがたい。◆そんな彼らには申し訳ないが年度末も私は自分のペースで仕事をこなしている。今は新規事業の立ち上げや来年度の事業計画、或いは総合的な宣伝広告の方向の検討など。「社長はのんびりと自分のペースで仕事ができて羨ましいなあ。」と思われていることだろう。30年前、私も現場で死ぬほど働かされていた。その頃私も思っていた。「社長はいいなあ」と。◆うん、悪くはないかもしれない。だが、おそらく傍目から見るほど楽な仕事ではない。心配事は多い。臆病な私は物事の方向を決定することが怖い。その怖いことをしなければならないのが社長。右に行こうか左にしようか悩むことは多い。多角的に多面的に多くの情報を取り、考察し、悩み、また悩み、もっと悩み、そして決断する。◆「一旦決断したらその方向を目指して突き進む」というタイプの社長が多いようだが気弱な私はなかなかそうはなれない。「大丈夫か、大丈夫か。あのジャッジは間違っていなかったか」実は一人でくよくよ悩んでいる。◆だが悩む姿は社員には見せられない。「豪放磊落」な社長の方が社員は安心して仕事に専念できるだろう。ボロは出ているだろうが豪放磊落なフリはしている。◆社長室で悩んでいると暗い顔、難しい顔を社員に見せてしまうかもしれない。私は一人、ふらっと出かける。最近は銀座まで歩く。銀座6丁目、ジャズ喫茶の老舗「ジャズ・カントリー」が最近の考え事をする場所になっている。銀座の裏通りの小さなビルの地下、レコードから流れる大音響のビバップを聴きながら考え事を始める。ふと気付くと、実は何も考え事をせず、懐かしいジャズを楽しんでいる自分がいたりもする。
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