2014年06月17日 ---- ボス

イタリア観光(1)

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「世界航空医療学会」に参加するためにイタリアを訪問した。先々週のこと。学会と言っても殆どが英語のスピーチであり専門用語も多く全く理解できない。私は「学会から学ぶものよりもイタリアの街から学ぶことの方がきっと多いはずだ」と勝手に判断した。ローマ → ポンペイ → ナポリ → ローマ → フィレンツェ → ローマ → ミラノ と回ってフランクフルト経由で帰国した。残念ながらベニスには行けなかった。◆観光立国のイタリアをうらやましく思った。気候は温暖、遺跡が多く街中に彫刻芸術があふれる。だが意地悪く言うと、過去の繁栄と宗教が残してくれた遺産で食っているだけの観光都市。街並みと美術館と宗教施設と大陽は文句なく素晴らしいが現代のイタリア人の「おもてなし」の表現は我が日本のそれにははるかに及ばないと感じた。各地で「スリに注意を」と呼び掛けられ、観光地には必ず偽造品を売る者が並ぶ。観光客にカネをせびる輩や詐欺まがいの行為が横行している。乞食やホームレスも多い。◆ミラノの大聖堂前の広場にいたらオニーサンがにこにこしながら近づいてきてトウモロコシの粒を10粒ほどくれた。とっさのことで「まずい!」と思ったが遅かった。オニーサンは私に、掌にトウモロコシの粒を乗せ上にかかげるように指示する。素直に従ったら鳩が数羽飛んできて私の腕に止まり、掌のトウモロコシの粒を食べはじめた。オニーサンは「写真を撮れ」と言うが私の回りには同行する者がいなかった。数人の日本人と思われる観光客が「かわいそうに」という顔で私を眺めていた。「さて、こいつに幾ら払えばいいのだろう」と思いながら私はポケットにあった1ユーロコインを2枚渡そうとした。「乾燥したトウモロコシ10粒が300円!」と嘆きながら。するとそのオニーサンの態度が豹変した。「ふざけるな!」と言う顔をし大声で「20ユーロ出せ!」とわめき散らす。こちらも「ふざけるな!」と日本語で怒鳴り返した。するとオニーサンと同業者がさらに二人近づいてきた。3対1だ。負ける。それでも20ユーロはあんまりだ。私は怒った顔をし大きな声で「NO,NO!」と言いポケットの中にあったコインすべてを渡した。おそらく5ユーロはあっただろう。オニーサンは不満そうだったが幸い暴力に訴えることなく引き下がった。次の餌食を探しに行った。次の餌食も日本人なのだろう。◆イタリア政府はなぜこれらの輩を逮捕しない?スリを横行させる?偽造品を堂々と路上で売らせる?これらの輩を放置させていても美しい過去の遺産と大陽で世界中から観光客が絶えないのだから幸せな国だ。そして、だからこの国の人たちは心のこもった「おもてなし」をしなくてもよいと高をくくっているように私は感じた。

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2024年12月20日 ボスの
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  • 午前虎の門病院屋上ヘリポート見学
  • 午後事業計画見直し
  • 夕方麻布十番某所で会食
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