◎2014年07月04日 ---- ボス ◎
- 基礎の基礎!リスクヘッジ!
-
「相談があります」と言って部下二人が私の部屋に入って来た。手にC社充ての「お見積書」を持っている。一億円を超える金額が書いてある。「見積書に社長印をください」と言う。「印をいただく前に仕事の内容を説明します」と話し出した。私は二人の話を黙って聞いた。要約は以下のようだ。◆彼らが先日知り合った日本人Pさんは現在スウェーデンに住んでいる。Pさんは、この9月に転職し、スウェーデンのA社に入社することになっている。わが社はシンガポールのB社に○○をオーダーをしたいのだが直接ルートがない。そこでB社と付き合いのあるA社を通じてオーダーしたい。つまりシンガポールのB社から○○を日本に入れるのにスウェーデンのA社に発注したい。○○は日本のC社に売れる。利益は500万円。◆「リスクはないの?」と聞く私に対し、部下たちは幾つかの専門的な小さなリスクを説明した後「大きなリスクはない」と言う。◆「で、カネの流れは? どういう手順でこのディールは進むの?」と私は続けて聞いた。「はい、まず当社がスウェーデンのA社に1億円を送金します。A社は1億円の入金を確認しましたらすぐにシンガポールのB社に・・・」◆そこまで聞いて私は大声を出した。「ちょっと待て!最初にウチがカネを送るのか?一億円も? 付き合ったこともないスウェーデンの会社に。知り合ったばかりのPさんという人が9月に入社するということだけで? アホか! よくそれで『大きなリスクはありません』などと言えるな! 十分に大きなリスクじゃないか! A社のパンフも会社説明もない。B社も全く知らない。そんなスキームに最初に当社が1億円を送金する? 馬鹿も休み休み言え!」 私は激怒した。彼らは何年、私の下で仕事をすれば「リスクヘッジ」ということを知るのだろう。情けなくなってきた。悲しくなってきた。心細くなってきた。
- コメント (0)