2014年08月01日 ---- ボス

「盆帰り」と「方言」

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今日から八月。早い! 再来週は夏休みを取って、中学校時代の仲間たちと年老いた母親が待っていてくれる郷土、大分県佐伯市へ帰る。盆帰り。◆盆帰り、というと小椋佳の名曲「盆帰り」をつい口ずさんでしまう。この曲の思い出も語りたいがそれは次回に回し、今日は大分県佐伯地方独特の男だけの方言についてお話しする。この地方には根強い「長幼の序」の風習が残っている。少なくとも言葉・方言の中にはその美しい?慣習が残っている。話し言葉の中では年齢による上下が全くない欧米とは対照的な地域だ。◆たとえば先輩と後輩が二人でラーメンを食べに行ったとしよう。「旨いなあ」と言うのは後輩の方である。先輩は「旨いのう」と言う。この「のう」と「なあ」の関係は小学生時代には存在せず中学生時代にしっかりと構築される。ラーメン屋のオヤジは二人の関係をこの終助詞「なあ」と「のう」で一瞬に理解する。同級生同士の場合なら二人が親しければ「旨いのう」「旨いのう」、ありあまり親しくない場合は「旨いなあ」「旨いなあ」になる。◆私が夏休みに帰省している。街を歩いていて知り合いに会う。「おっ、モトミ!いつ帰って来たんか?」と聞くのは先輩。これが後輩なら「いつ帰って来たんで?」に変わる。「来たんか?」と聞くのは先輩。「来たんで?」と聞くのが後輩。先輩でもしばらく会わずに少し遠慮が出てくると「来たんか?」ではなく「来たん?」となる。終助詞「か」が取れると少し丁寧な響きになる。◆佐伯地方の男言葉には謙譲語も尊敬語もまったくない。「伺う」とか「いらっしゃる」「おっしゃる」などという言葉はこの地方では不要。終助詞の使い分けのみで微妙な上下関係とその距離感を的確に表現できている。素晴らしいコミュニケーション能力。私はこの地方に育って随分と得をしたと思っている。

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  • 午後事業計画見直し
  • 夕方麻布十番某所で会食
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