2014年08月18日 ---- ボス

酒場にて

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お盆休みの前、行きつけの銀座のバーで下品なオトコが隣に座った。彼は「10年ぶりにこの店に来ました」と言う。「そうでしたか、ごめんなさい。気付きませんで」とママが答えた。カウンターには常連客が並んでいたがそのオトコは「僕が今夜の主賓なのですよ」といった感じでペラペラと一人で喋り続ける。上品な常連客たちは「うるさいね」とも「静かに飲め」とも言わず、そのオトコの聞き役を演じていた。私もそんな上品な常連客の一人であった。そのオトコの話は「僕はカネ持ちなんだよ」と言うことに尽きた。「ここ数年、年収が1億円を超えている」と言うような話をしたと思ったら「美味しいシャンパンが飲みたい」と言い出し、その店で最も高級なシャンパンをオーダーし、それをカウンターの常連客みんなに振る舞った。常連客はみんな上品に対応した。「どこのどなたか知らないが、あんたに酒を振る舞われる謂れはねえよ」と言う人はいなかった。1杯ずつ飲み「ありがとうございます」とか「うん、美味しいですね」などと言っていた。私もそんな上品な常連客の一人であった。◆お盆休み、中学時代の友人とゴルフを楽しんだ後、四人で「鳥吉(とりよし)」に行った。「鳥吉」は日本で一番旨い焼き鳥屋だと私たちは信じている。その日も満席であった。カウンターに四人並び、ビールを飲みながら今日のゴルフの反省や中学時代の楽しかった思い出話をしていた。我々の隣に感じの良い青年が二人並んで飲んでいた。どちらからともなく話し始めていた。彼らはともに23歳だという。うちの息子と同い年。彼らは私たちのことを「おとうさん」と呼んだ。「僕らがおとうさんたちくらいの年代になったとき、そんなに楽しく飲む仲間ができるのか不安です。」などと言っていた。彼らと一時間ほど楽しく飲んだ。我々四人は腹ごしらえが終わり、次の店に向かうことになった。誰からともなく「若いおにーさんたちの分も払ってやろうよ」と言うことになった。6人分で3万4千円。4人で割れば高くない。二人の好青年はとても驚いていた。「楽しく飲ませていただいて、ごちそうまでしていただいては・・」と遠慮しようとした。最後は最敬礼で私たちを送り出してくれた。◆飲み屋での会話、カネの使い方もいろいろ。私は上品に振る舞ったと確信している。そして思った。「あの銀座の金持ちにはきっと素晴らしい友人は一人もいないんだろうな」と。

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2024年12月23日 ボスの
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  • 午後総務部会
  • 夕方銀座某所で会食
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