2014年10月10日 ---- ボス

部下を叱る

boss-5

仕事量が増えてきたので今年六月に近所のビルに分室を開設し、ヘリポート事業部をまるごとそちらへ移動させた。その分、本社には余剰スペースが生まれた。その余剰スペースは来年年初までに新応接会議室として改築される。◆新応接会議室の改築に関してTクンを担当者に指名した。Tクンにこの新応接会議室を最も有効に利用してもらいたい、いずれはこの会議室の主役に育ってもらいたいとの期待もある。◆今朝、そのTクンが私の部屋に入ってきた。「昨日、新応接会議室の改装工事の見積もりが届きました」という。「ほう、いくらなの?」と聞く私にTクンは「○○○万円です」と答える。「えっ?それは高いねえ」と私が言うと「高いですか?」とTクンが答える。「内訳は?」と聞くと「これが内訳書です」と見積書をそのまま出す。こまごまとした数字が並んでいる。私は見積書に目を通すことをせず、Tクンを座らせ、注意を始めた。◆私:「キミはこの改築工事の担当責任者だよ。」 T:「はい」 私:「その見積もり書はいつ届いたの?」 T:「昨日です」 私:「見積書が届いたらそれを見て『高い』とか『安い』とか、ある程度自分の意見を持たなくちゃね。」 T:「はい」 私:「内訳書を吟味し、この部分は削除してもいい、ここは他の業者の方が安いんじゃないだろうか、とかいろいろ考えなくちゃね」 T:「はい」 私:「キミの態度は担当責任者の態度ではなくただのメッセンジャーだよ。担当者なら自分の考え意見を持たなくちゃ」 T:「はい」 私:「今回の場合だったら事前にどの程度の金額が出てくるのかをキミの過去の経験から予想しておく。そして見積もり金額の総額が『高い』と思ったらそれを吟味し、解決策や対処方法を探る。ABC三つくらいの対処案を自分なりに考えてオレに示す。ね?」 T:「はい、以前も注意されました」 私:「『担当者としてABCの三つの解決方法を考えましたが私としてはAが一番良いと思うのですが。なぜなら・・・』っていうような報告を聞きたいのですよ。別に書面にする必要なんてない。『担当者の意識、担当者の意欲、担当者としての責任』が欲しいんだよ。」◆Tクンは「すみません」と頭を下げ私の部屋を出て行った。◆当社の職員はみんな具体的に指示されたことは一所懸命にやる。「明日までにこれをやって」と上司からお願いされれば徹夜してでもこなす。ところが具体的な指示をしなければみんなメッセンジャーになってしまう。「おいおい、それじゃあ高校生のアルバイトでもできますよ」と部下を注意することが多い。◆ときどき開いている異業種交流会で社長さんたちが「指示待ち症候群」という言葉を使っていた。とにかく今の若者は頭が良くてもこの「指示待ち症候群」が多いという。うちの会社にも「指示待ち症候群」が広まりつつある。うまいワクチンがないものかとこちらは本気で探している。夜も眠れないくらいに。

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2024年12月20日 ボスの
スケジュール
  • 午前虎の門病院屋上ヘリポート見学
  • 午後事業計画見直し
  • 夕方麻布十番某所で会食
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