◎2015年01月14日 ---- ボス ◎
- 初老紳士の教え
-
その話をしてくれたあの初老の紳士はいったい誰だったのか思い出せない。あのときたまたま隣の席に座った人だったのだろうか?いや違う、彼は私の向かいの席に座っていた。なにか仕事の打ち合わせをしていたような・・・。誰だったのかどうしても思い出せない。顔と声は覚えているのに・・・。場所は平河町にある半地下の喫茶店。今から25年ほど前、私がサラリーマンを辞め、我が家には長女が生まれたばかりの頃だった。◆穏やかにそして茶目っ気たっぷりにあの初老の紳士は自分の経験論を話してくれた。「キノシタ君ね、キミは若い。若くて元気だ。だけどカネはそれほど余裕ないでしょ。僕もそうでした。家族を養うので精一杯。キレイな女性と浮気するような余裕はありませんでしたよ。・・・・・・40歳代の後半になって給料が随分と上がりヘソクリもできるようになったけどその頃は仕事がとても忙しくてね・・自分の時間が持てなくなりました。銀座ではそこそこモテたのですが浮気をするような時間を作ることはできませんでしたよ。・・・・・・60歳手前になっておカネも時間も少し余裕ができたのです。やっと浮気ができる状況になったのです。カネと時間があれば60歳でもオトコはモテるもんなのですよ。ところがね悲しいことに私はもうカラダが疲れ切っていて役に立たないのですよ、アチラが。・・・・・ずっと浮気願望はあったのですが結局はそんなことできませんでした。男ってのは寂しい生き物なんですよね。」◆若いころはカネがない。カネができたら時間がない。カネと時間に余裕ができたらカラダが言うことをきかない。・・・寂しいものだ。◆かくして私もあの初老の紳士と全く同じ道を歩み続けている。カネと時間に余裕ができたとは言えないがカラダは確実に疲れきって言うことをきかなくなってきている。「浮気したい」と強く願っているわけでもないが振り返ると寂しい人生だったのかもしれない。◆「いや、これでいいんだ。これが幸せなのだ。」と合理化規制を働かせ自分を慰めている。今日は早朝6時から1時間、自宅近所のスタジオでみっちりとヨガのレッスンを受けてきた。頑張ろう。
- コメント (0)