◎2015年02月19日 ---- ボス ◎
- 大義なし。18歳の選挙権。(その3)
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学生運動をバカにする気はない。そのリーダーたちはみな純粋な気持ちと強い正義感を持っている。世の中の矛盾や不条理を是正したいと活動を始める。昨今の台湾や香港、あるいは20世紀後半の天安門の学生運動リーダーたちはみな利発そうで純粋に見えた。我が国でも60年代安保闘争、70年代安保闘争と大きな学生運動が2回あった。それらは「反米闘争」でもあった。そしてそれらのデモに参加した多くの学生は純粋であった◆70年安保闘争、「反米闘争」からも45年が経った。「安保反対」を叫んでいた学生は大人になり老人になった。多くは現在の日米関係にほぼ満足しているようだ。「結果的にはあの時に自分たちの主張が通らなくてよかった。当時は無知だった、純粋だった」と思っている者が多いのも事実だ。◆思想や政治的信条を変えることを「転向」と呼ぶ。私が知るのは「共産主義⇒自由主義」の転向ばかり。その逆を知らない。学生時代はマルクスを信奉したが現実社会を知って自民党員になった、という人を多く知っている。一方で学生運動の活動家だった方が今なお共産党員として頑張っている姿を見ることもある。「転向」は良いこととも情けないこととも思わない。良いことでも情けないことでもないが思想信条の変更は事実とても多いことだけは確認したい。◆このコラムで私は何度も「会社の社長を社員の選挙で選ぶようになったらその会社はすぐに潰れてしまう」と書いた。「リーダーを選ぶというときにはそれなりの十分な知見を持った人たちに任せるべきだ」と書いてきた。◆70年安保闘争時、選挙権年齢が18歳であったらこの国はひっくり返っていたかも知れない。「それでもいいじゃないか、それが国民の総意なのだから」という意見もあろう。だが私はそうは思わない。繰り返す。リーダー(国会議員)を選ぶのはそれなりの十分な知見を持った人たちに任せるべきだ。18歳に選挙権を持たせてはならない。彼らは知見は低いが理想が高過ぎてこの国をひっくり返してしまうかもしれないから。
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