◎2015年03月12日 ---- ボス ◎
- 大塚家具
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私の部屋の応接セットは13年前に大塚家具で購入したもの。かなり高価であったがデザインも品質も最高。とても気に入っている。◆「高いけど、間違いなく品質がいい」・・多くの方が大塚家具の製品を褒める。私も大塚家具の製品のファンの一人であった。「おカネに余裕があるなら大塚家具で購入したい」と思っていた。会社が大きくなるにつれ、応接セットや什器備品が増える。その都度「大塚家具でセンスの良いものを探そう」と思い何度か店を訪問した◆大塚家具を訪問したことがある人ならご存知だろう。客は勝手に商品を眺めて回ることができない。まず受付に行き「来店の目的。求めている商品」などを記入する。すると担当の案内人がやってきて客は彼と一緒に、彼の説明を聞きながら陳列商品を見て回る。「勝手に見るからほっといてくれ」と言いたいがそうはできない。案内人はとても丁寧。案内を受ける方は一瞬「セレブ感」を味わうが多くの客は値段を見て驚く。セレブではない、常識ある庶民は、二度と大塚家具を訪問しない。「あそこは私には不相応なところだ」と認識するのだ◆それでも我が国がバブル景気に沸いた頃にはプチセレブも多く、高級家具を求める者も多かった。セレブではなくても、会社経費で落とせるものの需要はまだまだある。そういう意味では大塚家具は銀座の高級クラブに似ている。◆さてその大塚家具で父娘が社長のイスを争うお家騒動が起きている。関係者にとっては迷惑な話。銀座の高級クラブ路線を維持したい父親に対し「オトーサン、それはもう無理よ。消費税も上がってセレブは減るばかり。ニトリやイケアは景気よさそうだし・・。うちもフランフランみたいに誰でも気軽に入れる店にしないと・・」と娘が言っている。私はそのような争いだと理解している◆しかし、非上場会社なら同族経営もよかろうが東証一部の上場会社になって家族内の争いをお越し関係者に迷惑をかけるなど言語道断。社員は溜まったもんじゃない。会社のイメージ低下はまぬかれない◆私も一人の創業社長として、同じ創業社長である父親の気持ちも理解できる。娘を含めた若い経営陣に対し「だからダメなのだ!」と叱りたい気持ちも分かる。だが、それならば上場してはダメだ。会社を私物化してはダメだ。◆結果は見えている。これだけ企業イメージが落ちてしまっては今更「高級路線」は続けられまい。創業社長としてあれだけの企業を作り上げた父親社長を私は尊敬はするが「すでに時代は変わった」と潔く退くことをお勧めしたい。上場したのだ。創業者利益を取ったのだ。「老害」と呼ばれるようになる前に退かなければならない。◆当社は上場など全く考えていないが、いろいろと、いろいろと考えさせられることが多い「大塚家具のお家騒動」である。
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