2015年05月18日 ---- ボス

新しいこと

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若い頃、私はとても怠惰であった。今は怠惰ではない、とは言わないが若い頃に比べると随分とまともになった。自分が怠惰であったからよく知っているのだが、怠惰な者は現状を好む。◆眠っていると起きたくない。一度起きたら今度は眠りたくない。福岡で学生生活を送っていた私は夏休みに大分へ帰省するのが嫌だった。だが帰省してしまうと今度は新学期のために福岡へ行くのが嫌になる。今が楽なのであった。◆学生時代、引っ越しをした方が便利になるのは分かっていても引っ越すのが面倒で遠距離から通学していた時期もある。◆「頑張るべき。頑張った先に楽がある」というのは分かっていてもなかなか頑張れない。その結果、留年もしてしまった。◆「頑張るべき。頑張った先に楽がある」と言っても、その「楽」がどのようなものかはっきりと見えないとなかなか怠惰な者は動かない。◆ ◆ ◆前置きが長くなった。本日このコラムで話題にしたいのは「大阪都構想」の否決に関して。橋下大阪市長は「大阪市を解体して大阪府の元に直轄の『区』を置くべき」と頑張った。実は私は詳しく知らない。だから「大阪都構想」に賛成とか反対とか言えるものではない。ただ小さな会社とはいえ創業経営者として「橋下さんのやろうとしていることはかなり難しいな」との感覚はあった。橋下さんが説得しなければならない相手はみんな怠惰な人たちなのである。大阪市民が他と比べて怠惰、と言っているのではない。そもそも人間はみな怠惰なのだろう。新しいことはしたくないのである。◆昨日、住民投票が行われその結果「大阪都構想」は否決され廃案になった。僅差であった。テレビで大阪都構想に「反対」票を投じた人たちの反対理由が告げられていた。「大阪市に愛着がある」「大阪都になってどんな良いことがあるのか分からない」など私の予想通り、反対票を投じた人たちの多くは明確な反対理由はなかった。◆既得権益を持った多くの者たちは「変化・改革」を嫌う。彼らにとっては怠惰な住民を味方につけることは難しいことではなかった。「今でいいじゃない」「頑張って変化しようとしてもそれほど変わるもんじゃないよ」「頑張っても疲れるだけだよ」と言われれば怠惰な者は「そうだよね」と思ってしまう。◆学生時代、朝10時頃までアパートで寝ていると成績優秀な友人たちが起こしにきてくれた。「キノシタ君、もう朝だよ。1限目の受講は終わったよ。2限目から授業に出ようよ」・・・それでも怠惰な私はなかなか起き出さなかった。授業に出たらどんな良いことがあるのか分からなかった。当時の私は変化を求めていなかった。馬鹿だった。◆一経営者として橋下大阪市長に敬意を表したい。ねぎらいの言葉をかけたい。

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