2015年05月25日 ---- ボス

アタマの悪い学者たち(1)

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私が毎日このコラムを書くその目的のひとつは若い人たちに対して「自分のアタマで考えるクセを付けろ」と伝えたいことにある。◆数学や物理学、化学など理系の学問の多くは学者が真実を教えてくれる。一方、政治や経済に関しては学者は自分の信ずる立場を主張するだけで真実を教えてくれるわけではない。私はこれらの政治学者・経済学者の多くを「アタマの悪い学者たち」と決めつけている。いや、学者になるくらいだから学生時代は成績優秀だったのであろう。もともとアタマは良かったのかもしれない。しかし学者になった今は・・・。◆本屋のビジネス書のコーナーに行くとさまざまな学者が自説を訴えている本が並ぶ。それらの本のタイトルだけ読んでいてもアタマがこんがらがってくる。「日本経済は底堅い」と言うものもあれば「日本経済は崩壊する」というものもある。「円は強い」と力説する本もあれば「ドル預金に移せ」とアドバイスする本もある。「アベノミクスは成功した」という学者がいれば「アベノミクスは大失敗に終わる」という者もいる。「原発は決して経済的ではない」と主張する経済学者がいれば「原発なくして日本経済の発展はない」と主張する学者もいる。果たしてこのようなものが「学問」と言えるのか。◆数学者はだれに聞いても3+5は8だと答える。経済学者は「これから景気が良くなる」と答える者と「これから悪くなる」と答える者に分かれる。私は経済学も政治学も学問としては認めていない。政治学、経済学の学者は競馬評論家と同等であると思っている。彼らは自分なりのある根拠を持って事象を予測する。予測が当たったときは「私はちゃんと指摘していましたよ」と胸を張る。予想が外れたときは「想定外の〇〇がありましたからね」と逃げる。◆自分の予測がはずれてしまって、彼を信じていた人が大損をこいても彼らは全く責任を取ろうとしない。これも競馬の予想屋と同じ。◆私がなぜ彼らを「アタマが悪い」と決めつけるのか。彼らは人の話を聞こうとしないからである。自分で自分にレッテルを張ってしまっているからである。「原発は不経済」と一度主張し始めた学者は常に「不経済である理由」を探す。「原発が最も廉価な発電」という学者の意見を聞かない。学者たちは、どちらも相手の意見を聞かずに自分の意見を述べる。或いは相手の意見を聞きながら反論する材料を探す。相手がどのように説明してもアタマの悪い学者たちは自分のポジションを替えない。「原発反対」と言っていた学者が「賛成」に替わることはない。「原発推進」と一度口にした学者は死ぬまで「原発のメリット」を訴える。バカばかりである。◆怖いのは学者よりもさらにアタマの悪い学生たちは簡単に洗脳されてしまうということ。「原発反対」の学者のゼミに入ったものは「原発反対」に、「原発必要」と主張する学者のゼミに入った学生は「原発必要」と、まるで自分の考えたことのように主張し始める。オウムの洗脳と大差ない。◆若い人は、真ん中に立ち、左右前後から多くの人の話を聞き、それらの意味を咀嚼し、自分のアタマで考え、そしてゆっくりと自分の信じる道へ向かって欲しい。選んだ道が間違えていれば引き返せばいい。決して少ない経験の中で出会った「アタマの悪い学者」に洗脳されないように注意してほしい。

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