◎2015年06月19日 ---- ボス ◎
- 慈悲深い善良な市民を罪人にしないために
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悲しいニュースが流れた。その記事を読み涙を流したのは私だけではないだろう。◆体の痛みを訴え続けた83歳の妻に頼まれて、93歳の夫が彼女を殺害したとして嘱託殺人の罪に問われている。殺人の罪に問われている夫は「今でも妻を愛しております」と語っているという。◆妻は長く患い、死ぬ1ヶ月くらい前には腰の骨折が判明、痛くて眠れない日が続いていた。「何もできない、苦しいだけ」と言われ、「お願いです、私を殺して。楽にして」と言われ続けた。彼女は「家族に迷惑をかけたくない」とのメモも残していた。「殺して!」と懇願され続けた夫は「もう断りきれない」と感じ、妻の願いを叶えることにした。ネクタイで彼女の首を絞めた。◆60年前に浅草の職場で出会った二人は結婚し3人の子を持った。妻が病いに倒れるまでは幸せな生活が続いた。妻が倒れてからも一所懸命に介護を続けた。買い物、庭の手入れ、トイレの付き添い・・・。◆「最期、2人は添い寝をした。靴職人として働き、妻と知り合ったころを思い出した。昔話を続けた。『妻はニコニコしていた。とてもきれいだった』」・・・と毎日新聞は伝えていた。◆17日の論告で、検察側は「殺害決意は想像を絶する苦悩だったと思うが、妻の弱音とも考えられて軽率」などと指摘し、懲役5年を求刑した。懲役5年の求刑、現行法では妥当なのだろう。恐らく執行猶予が付くのだろう。それにしても・・・・・◆このような、愛妻家の善良な老人を罪人にしてしまう今の法律や社会のシステムには不備を感じる。せめて「安楽死」という合法的な制度が我が国にあれば、妻は穏やかな気持ちで天国へと旅立てたであろう。心優しき夫は罪びとにならずに済んだのに。◆この93歳の老人がかわいそうでならない。
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