◎2015年07月24日 ---- ボス ◎
- 東大生 一気飲み
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東京大学2年生の学生が、サークルの飲み会で飲み過ぎ、急性アルコール中毒で死亡した。可愛そうに。両親がそのコンパに参加していた学生21人に対して1億6900万円の損害賠償を求めて提訴した。◆大切な、可愛い息子が努力して東京大学に合格した。これから学生生活を謳歌し、その後は社会に出てリーダーとして活躍することが保証されていた。人生で最も楽しいとき。それが、仲間との宴会のさなか、突然終わった。本人はもちろん、両親も悔しくて苦しくてたまらないだろう。「子供を失う親の気持ち」それを想像しただけで私も苦しくなる。◆仲間との楽しい宴会の中での事故で亡くなったのだから両親も怒りの持って行きようが無かったのだろう。一緒に飲んでいた仲間に損害賠償を求めたくなる気持ち、分からなくはない。同じ状況にあったら、私も同様に提訴したかもしれない。この両親の行動を責めることはできない。◆一方、提訴された学生も可哀そう。私が九州大学土木工学科に入学するとすぐ2年生が「新入生歓迎コンパ」を開催してくれた。これは九大土木の伝統行事であった。飲む方も飲ませる方も、ほとんどが二十歳以下。今なら大問題になるだろう。そしてその100名程度のコンパで私の同級生(つまり1年生の)二人が救急車で運ばれた。急性アルコール中毒であった。二人とも翌日は元気に授業に来たと記憶しているが、飲み過ぎて寝てしまい同級生が救急車で運ばれたことすら知らない者もいた。◆今回の東大生のコンパでの死亡は事件ではなく事故なのだと私は思う。無理に飲ませたわけでもないようだし「危険だな」と認識しながらも無責任に放置したのでもないようだ。亡くなった子は運が悪かった。状況によっては誰かほかの子が急性アルコール中毒になり、彼が訴えられていたかもしれない。そこには故意や悪意はなく、ただ運のみに寄ったものだと思う。誰もが被害者になる可能性はあった。死んだ方も、仲間に死なれた方も運が悪かった。◆私は損害賠償の提訴の取り下げを求めるものではない。21人に対して1億6900万円、妥当な金額だと思う。子を失った両親にとって1億円だろうが10億円だろうが満足するものではない。その中で、一人当たり約800万円を背負ってもらう。双方ともに楽ではない。事件から2年近くが経ち、そろそろ就職が決まった者もいると聞く。社会人のスタートにいきなり800万円の借金を背負うことも大変だが「事故で死んだのが、たまたま自分でなかっただけ良かった」と思うことだ。◆私も社会人のスタート時には奨学金などで数百万円の借金を背負っていた。少しずつ返していたらいつの間にか完済していた。そんなもんだ。東大を卒業する君たちは、まだまだ多くの夢を抱くことができ、実現する力がある。800万円なんてそんなに大きなカネではない。◆双方で頭を下げ「和解しました」とのニュースを早く聴きたいものだ。
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